牛窓オリーブ園
県南東部、瀬戸内市牛窓町にある日本オリーブ株式会社の自社農園。JR赤穂線邑久駅から南東へ約10km、瀬戸内海を一望できる高台にある。約2,000本のオリーブが10万m2の敷地に栽培されている大規模農園である。1942(昭和17)年に地元の資産家の服部和一郎(はっとり・わいちろう)が阿弥陀山(166.5m)の松林を開墾し、小豆島の友人から分けてもらったオリーブの苗木39本を植えたのが始まり。戦時中の物資の少ないなか、オリーブの食用、薬用、美容、灯火にも利用できる汎用性に着目するとともに、木を植えることで山と緑を守るという思いもあったという。1949(昭和24)年、第一号商品として化粧用のオリーブオイルを発売すると同時に会社を設立した。
瀬戸内海のパノラマを一望できる山頂広場には展望台や直営のショップがあり、園内には遊歩道が整備されている。収穫祭をはじめとするイベントも開催され、地域の交流の場ともなっている。
瀬戸内海のパノラマを一望できる山頂広場には展望台や直営のショップがあり、園内には遊歩道が整備されている。収穫祭をはじめとするイベントも開催され、地域の交流の場ともなっている。

みどころ
牛窓は温暖な気候と点在する島々の風景から「日本のエーゲ海」とも呼ばれている。牛窓港の後背の丘陵地にあるオリーブ園は、瀬戸内海を見渡すことのできる絶好のスポットである。干潮時にヴィーナスロードと言われ島がつながる黒島と中ノ小島、端の小島や、フェリーが行き来する前島が望め、多島海である瀬戸内海の美しさを堪能できる。眼下に見えるパッチワークのような畑地の緑と土の色も美しく、広い青空とエメラルドグリーンの海に映える。広大な園内には、洋画家・佐竹徳*がアトリエとして使用していた「赤屋根」、古代ローマの遺跡のようなモニュメントが配された「ローマの丘」、3回鳴らすと幸せになるといわれる「幸福の鐘」などがあり、オリーブの木立の中を散策するのも気持ちがよい。周辺は阿弥陀山古墳群で、園内にもたくさんの古墳がある。
山頂広場の直営ショップでは、オリーブ製品やオリーブの苗木を販売している。2階は地元の人気コーヒー焙煎店が運営するカフェで、3階のテラスと5階は展望台になっている。晴れた日には香川県の屋島が、さらによく晴れた日には西に瀬戸大橋、東に明石大橋、南には徳島県の剣山も眺めることができる。
山頂広場の直営ショップでは、オリーブ製品やオリーブの苗木を販売している。2階は地元の人気コーヒー焙煎店が運営するカフェで、3階のテラスと5階は展望台になっている。晴れた日には香川県の屋島が、さらによく晴れた日には西に瀬戸大橋、東に明石大橋、南には徳島県の剣山も眺めることができる。

補足情報
*佐竹徳(さたけ・とく 1897~ 1998):洋画家。本名・徳次郎。大阪府大阪市出身。1917年20歳の時に文展に初入選し、以降は帝展、新文展、日展などに出品を続け、中央画壇で活躍した。1940年から約20年間は青森県の奥入瀬渓流を創作拠点とし「渓流の画家」とも呼ばれた。1959(昭和34)年62歳のとき、初めて牛窓オリーブ園を訪れ、オリーブの緑と赤土が織りなす風景が、自身が影響を受けたセザンヌが描いた地中海の風土と重なり、強く心を惹かれる。1963年頃から園内のアトリエで、オリーブを中心に牛窓の自然を描くようになった。1967年日展「オリーブと海(牛窓)」で内閣総理大臣賞、同作品で1968年日本芸術院賞受賞。1998(平成10)年、100歳で死去。
関連リンク | 牛窓オリーブ園(日本オリーブ株式会社)(WEBサイト) |
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参考文献 |
牛窓オリーブ園(日本オリーブ株式会社)(WEBサイト) 岡山観光WEB(公益社団法人岡山県観光連盟)(WEBサイト) 瀬戸内市の旅(瀬戸内市観光協会)(WEBサイト) |
2024年10月現在
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