津山城
JR津山駅の北約1km、市の中央部にあり、別名を鶴山城ともいう。織田信長の小姓で本能寺の変で最期を遂げた森 蘭丸の末弟、森 忠政が1604(慶長9)年に築城にかかり、約13年かけて1616(元和2)年に完成させた。森家4代約19万石、越前松平家9代約10万石の居城として、明治の廃藩置県まで続いた。城の南部を吉井川が東流し、その支流である宮川を東、藺田川(いだがわ)を西の外郭として、その内側に城下町の主要部を形成している。城の東側は丹後山との間の深い谷になっており、宮川に向かい急激に下降する。吉井川に面して東西に出雲街道*が通り、交通の要衝ともなっていた。1873(明治6)年の廃城令で建造物は取り壊され、現在では天守閣跡や城郭を残すのみだが、地上からの高さ45mに及ぶ石垣が当時の面影を残している。
城跡の鶴山公園(かくざんこうえん)は約1,000本のソメイヨシノがある県内有数の桜の名所で、3月下旬から4月上旬にかけてさくらまつりが催され、多くの見物客が訪れる。
築城400年の記念事業として、本丸の南側に備中櫓(びっちゅうやぐら)が復元され、2005(平成17)年春から一般公開されている。
城跡の鶴山公園(かくざんこうえん)は約1,000本のソメイヨシノがある県内有数の桜の名所で、3月下旬から4月上旬にかけてさくらまつりが催され、多くの見物客が訪れる。
築城400年の記念事業として、本丸の南側に備中櫓(びっちゅうやぐら)が復元され、2005(平成17)年春から一般公開されている。

みどころ
津山城は姫路城、松山城などと同様に江戸初期の典型的な平山城で、近世城郭技術の最盛期に築造された城である。天守閣をはじめとする建造物は残っておらず、ほとんどの堀も埋められてしまったが、残された石垣だけでも迫力十分の城らしい城(跡)だ。吉井川と宮川の合流点を見下ろす小高い山(鶴山)の頂上を平らに削って本丸とし、それを囲むように二の丸、三の丸が階段状に配置された一二三段(ひふみだん)の縄張りがはっきりと認められる。本丸へは大手、搦手のいずれからも鍵の手状に曲がる桝形虎口が繰り返され、まるで迷路のようだ。備中櫓東側の藤棚のある休憩所は長局および到来櫓があった場所で、三の丸から本丸への経路が丸見えになっており、徹底された防御態勢がとられていたことがわかる。天守台からは津山市街が一望でき、地形を生かした立地と出雲街道を組み込んだ城下町のつくりが見てとれる。
2004(平成16)年に復元された備中櫓は、森忠政の娘婿である鳥取城主池田備中守長幸に由来すると伝えられる。本丸南面に張り出した石垣上に建てられた一部2階建ての櫓で、外観は漆喰仕上げで通常の櫓のように見えるが、内部は全室畳敷きの御殿建築である。当時は本丸御殿ともつながっており、城主とその家族の生活の場として使用されたとみられる。1階に「御茶席」や「御座之間」、2階には「御上段」などが復元され、内部を見学できる。
2004(平成16)年に復元された備中櫓は、森忠政の娘婿である鳥取城主池田備中守長幸に由来すると伝えられる。本丸南面に張り出した石垣上に建てられた一部2階建ての櫓で、外観は漆喰仕上げで通常の櫓のように見えるが、内部は全室畳敷きの御殿建築である。当時は本丸御殿ともつながっており、城主とその家族の生活の場として使用されたとみられる。1階に「御茶席」や「御座之間」、2階には「御上段」などが復元され、内部を見学できる。

補足情報
*出雲街道:姫路を起点として中国山地を横断し、出雲(松江)に至る旧街道。「出雲往来」「出雲往還」などとも呼ばれる。
※津山城に隣接する津山郷土博物館は、江戸の全景を詳細に描いた「江戸一目図屏風」を所蔵している。津山松平藩御用絵師の鍬形蕙斎(くわがた・けいさい)が1809(文化6)年に描いたもので、19世紀初頭の江戸の繁栄を描いた肉筆画として、近世景観図の傑作と評価されている。作品保護のため、期間限定で公開されている。隅田川東岸の上空から西方の地上を見下ろした鳥瞰図は、東京スカイツリーの展望デッキから見える景色と視点が重なる。
※津山城に隣接する津山郷土博物館は、江戸の全景を詳細に描いた「江戸一目図屏風」を所蔵している。津山松平藩御用絵師の鍬形蕙斎(くわがた・けいさい)が1809(文化6)年に描いたもので、19世紀初頭の江戸の繁栄を描いた肉筆画として、近世景観図の傑作と評価されている。作品保護のため、期間限定で公開されている。隅田川東岸の上空から西方の地上を見下ろした鳥瞰図は、東京スカイツリーの展望デッキから見える景色と視点が重なる。
関連リンク | 津山市(WEBサイト) |
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参考文献 |
津山市(WEBサイト) 岡山観光WEB (公益社団法人岡山県観光連盟)(WEBサイト) 津山観光WEB(公益社団法人津山市観光協会)(WEBサイト) 「岡山県の歴史散歩」山川出版社 |
2024年10月現在
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