立久恵峡たちくえきょう

島根・岡山の県境赤名峠に源を発して大社湾に注ぐ神戸川の上流にあり、電鉄出雲市駅からは約10km南に位置する。清流に沿って約1kmにわたり高さ100~200mの岩壁がそそり立つ。特に左岸は、神亀岩・烏帽子岩・ろうそく岩・屏風岩などの名で呼ばれる奇岩が連続する。これらの奇岩は集塊質安山岩が風化・水食されてできたもので、小さな谷が複雑に入り組み、ほぼ中央部山腹に立久恵薬師で知られる立久恵山霊光寺(元・亀淵山飛光寺)がある。一段高くそびえる天柱峯の頂の近くに奥の院があり、川のほとりの岩肌には1,000体を超える五百羅漢の石像が並んでいる。
 川に沿って、遊歩道があり、桜とともに紅葉期の美しさが満喫できる。付近は県立自然公園で、イワヒバ・ツメレンゲなどの植物もみられる。
#

みどころ

立久恵峡にかかる不老橋と浮嵐橋の間は、自然観察モデルコースとして遊歩道が周回している。荘厳な霊光寺や五百羅漢、美しい峡谷の景色を眺めながら、1時間ほどで散策できるのでおすすめだ。
 動植物の宝庫としても知られ、この地域でしか見られない貴重な植物を目にできる。岩肌に咲く植物にも注目してもらいたい。
 周辺には温泉やキャンプ場がある。そそり立つ岩壁、鳥のさえずり、草木に触れながら、それぞれに安らぎの時間を過ごすことができるだろう。