日前神宮・國懸神宮
JR和歌山駅から南東へ約1.5km、和歌山電鐵貴志川線日前宮駅の北100mにある。同一の境内に日前神宮・國懸神宮の2つの神社がある二社一体の大社で、総称して日前宮(にちぜんぐう)あるいは名草宮とも呼ばれる。御神体は日像鏡(ひがたのかがみ)と日矛鏡(ひぼこのかがみ)で、天孫降臨の際、三種の神器とともにそえられ、神武天皇東征の後、紀伊国へと奉祀されたと伝わっている。紀州との関わりが深く、『延喜式神名帳』では名神大社に列し、紀伊国一宮とされた。紀伊国の国造職を代々受け継いできた紀氏が神主を世襲した由緒ある神社である。両神宮とも祭神は異なるが天照大神の前御霊としている。日本で最も歴史のある神社のひとつで、『日本書紀』に、天照大神が岩戸隠れした際、石凝姥命が八咫鏡に先立って鋳造した鏡が日前宮に祀られているとの記述がある。
1585(天正13)年、豊臣秀吉に攻め込まれ社領が没収された際、社殿が取り壊され境内が荒廃したが、江戸時代に藩祖徳川頼宣により再建された。現在の境内は最盛期の5分の1の広さとなっており、大正時代の改善工事による建物の一新などもあり、旧観は大きく変化している。
1585(天正13)年、豊臣秀吉に攻め込まれ社領が没収された際、社殿が取り壊され境内が荒廃したが、江戸時代に藩祖徳川頼宣により再建された。現在の境内は最盛期の5分の1の広さとなっており、大正時代の改善工事による建物の一新などもあり、旧観は大きく変化している。

みどころ
紀伊国一ノ宮にふさわしく、緑の多い広大な境内には両神宮・摂社・末社が多数祭られている。太鼓橋を渡り、鳥居をくぐったところで左右二手に参道が分かれ、左に日像鏡を御霊代とする日前神宮が、右に日予鏡を御霊代とする國懸神宮が立つ。和歌山市内にある竈山神社、伊太祁曽神社と三社詣でることを「三社参り」と言い、古くより三社をお参りする人が多く、正月三が日には多くの参拝者が訪れる。1月9日から11日にかけて「日前宮えびす詣り」*が執り行われている。

補足情報
*日前宮えびす詣り: 熊手や福俵といった縁起物が用意されるほか、赤いのぼりが並ぶ参道を夜に見られるのはこの時期ならではの光景である。紀州の風物詩になっている「日前宮薪能」は、例年4月8日夕刻に開催される。毎年9月26日には2600年受け継がれている伝統の祭り、日前神宮・國懸神宮例大祭が行われる。
関連リンク | 日前神宮・國懸神宮(WEBサイト) |
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参考文献 |
日前神宮・國懸神宮(WEBサイト) わかやま歴史物語100(WEBサイト) 和歌山県公式観光サイト(公益社団法人 和歌山県観光連盟)(WEBサイト) |
2025年02月現在
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