白崎海岸しらさきかいがん

JR紀勢本線紀伊由良駅から西へ約7.5km、紀伊水道に面した半島の先に位置する。白崎海岸はその名の通り、岬全体が白い石灰岩でできている。白亜の巨大な石灰岩の岬と、真っ青な海のコントラストが異国情緒あふれる景観を呈し、「日本のエーゲ海」とも称される。古生代後半、約2億5000万年前のペルム紀にできたものだといわれており、今でもフズリナやウミユリなど、古代の化石が至るところで発見されている。石灰岩は、サンゴや貝殻などが堆積し長い年月をかけて固まった炭酸カルシウムが主成分で、セメントや肥料の原料として採石されていた時代もある。
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みどころ

群青の海と白い岩が織り成す景色はまるで一枚の絵のようである。遠く四国までも望む海岸美は、心に残る風景として昔から多くの人に愛されてきた。その美しさは、日本最古の和歌集・万葉集にも詠まれるほどで、海岸沿いには「白崎万葉公園」を設置。持統天皇ら一行が行幸の途中で詠まれた歌と、岡野弘彦氏の平成の万葉歌が歌碑になって建っている。白い石灰岩に囲まれた白崎海洋公園を中心にオートキャンプ場や道の駅など、海に向かって背後の山には水仙の群生地があり、1月中旬に見ごろを迎える。
 白崎海岸のシンボルといえるのが、白崎万葉公園の近くにある「立厳(たてご)岩」で、天然の一枚岩が、波に侵食され中央に大きな穴が開いている。撮影には、海岸沿いを走る県道24号線の「白崎万葉公園」の駐車場に車を停めて、5分ほど歩いたところがおすすめ。