龍神温泉
龍神温泉は和歌山市から南東へ約90km、奈良県との県境にほど近い山中にある。護摩壇山・鉾尖岳・牛廻山などに囲まれ、日高川に面した標高500mの山峡に湧く温泉である。役行者により発見され、のち弘法大師が難陀龍王のお告げによって開湯したと伝えられるこの温泉は、紀州初代藩主・徳川頼宣が御殿を設けて浴室を整備し、地祖を免じたため発展したといわれる。1884(明治17)年の温泉寺から出た火事は、すべてを焼きつくし、温泉の歴史を伝えるものはほとんど灰となってしまったが、現在では上御殿・下御殿*も復旧し、往時を偲びながら紀州藩の御前湯に浸かることができる。上御殿の建物は1999(平成11)年10月に国の登録有形文化財に登録された。泉質は無色透明でなめらかな肌ざわりのナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)で美人の湯として有名。

みどころ
歴史と伝統のある名湯で浸かる渓流露天風呂は龍神温泉ならではの趣がある。藩主の別荘として造られた「上御殿」や家臣の宿泊所となった「下御殿」は温泉街のシンボルとなっており、上御殿は文化財としての指定を受けている建物に実際に宿泊できるのが珍しい。徳川頼宣公が湯治に訪れた際に泊まるためにつくられた部屋「御成りの間」では、当時徳川公が使用した調度品をそのまま配しており、この部屋に滞在することもできる。

補足情報
*上御殿・下御殿:現在もそれぞれ旅館として営業している。
関連リンク | 龍神村観光協会(WEBサイト) |
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参考文献 |
龍神村観光協会(WEBサイト) 龍神温泉元湯(WEBサイト) 上御殿(WEBサイト) 下御殿(WEBサイト) |
2025年02月現在
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