南紀白浜温泉なんきしらはまおんせん

南紀白浜温泉は紀伊半島の南部、太平洋に面した和歌山県白浜町にある温泉郷である。JR紀勢本線の白浜駅、紀勢自動車道の南紀白浜インターチェンジ、南紀白浜空港がすべて至近にあり、アクセス抜群のロケーションとなっている。
 白浜温泉の歴史は古く、『日本書紀』・『万葉集』・『続日本紀』などに「牟婁ノ湯」「武漏ノ湯」などと登場するのが今の湯崎地区である。斉明天皇・文武天皇など天皇・貴族が紀州行幸の折に入湯したと伝えられ、愛媛の道後・兵庫の有馬とともに記録に記されている日本でもっとも古い温泉の一つである。
 湯崎地区以外にも、1919(大正8)年ごろ開かれた白良浜付近の白浜地区、田辺湾側に面する東白浜・綱不知・大浦・古賀浦・新白浜地区などに分かれ、それらを総称して白浜温泉と呼んでいる。田辺湾や白良浜の明るい海岸風景、千畳敷・三段壁の奇観と、自然景観に恵まれ、冬暖かく、夏涼しい南紀特有の気候も特徴となっている。
 自然湧出、ボーリングも含めて湯量は豊富である。泉質は中性泉が多く、温度は40~85℃。公衆浴場として崎の湯、牟婁の湯、白良湯、松乃湯、露天風呂しらすななどがある。
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みどころ

南紀白浜温泉を代表する風呂といえば、太平洋に面した露天の岩風呂を有する「崎の湯」である。658(斉明4)年に斉明天皇と中大兄皇子が入湯したと言う由緒あるこの湯には紀州藩主時代の徳川吉宗も入湯したという。温泉にたちこめる、硫黄と潮の香り、波の音、太平洋をゆっくりと渡る船など、大自然にどっぷり浸かった開放感にひたることができる。波を間近に感じながら入れる分、天候が悪くなり波が高くなると入湯禁止になるため注意が必要だ。
 公衆浴場以外にも日帰り入浴ができる旅館やホテルが数多くあり、南紀白浜温泉の魅力を様々な景色や雰囲気とともに味わえる。白浜温泉旅館協同組合では、白浜のホテルや旅館の内湯を楽しめるのが「南紀白浜温泉湯めぐり札」*を発売しており、崎の湯を含むホテル・旅館・外湯の中から好きな湯をめぐることができる。
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補足情報

*「南紀白浜温泉 湯めぐり札」:問い合わせ先(白浜温泉旅館協同組合)