琴ノ浦温山荘園
関西国際空港から南へ約50km、和歌山市中心部から国道42号沿いに約10km南下した、黒江湾に臨むところにある。大阪の実業家である新田長次郎*1の別荘として大正初期から昭和初期にかけて造園されたもので、海沿いの自然の地形を利用した潮入式回遊庭園である。約46,000m2という個人庭園としては桁違いに広大な敷地を有する。園内には潮の干満に応じて水位が上下するという潮入りの池が大小3つ配され、青石*2の庭石や松、茅葺の建物などが趣のあるたたずまいを見せている。
紀州の名園*3として名高く皇族らがしばしば来訪し、随行した桂太郎、清浦奎吾、東郷平八郎、秋山好古らの扁額が主屋に掲げられている。
紀州の名園*3として名高く皇族らがしばしば来訪し、随行した桂太郎、清浦奎吾、東郷平八郎、秋山好古らの扁額が主屋に掲げられている。

みどころ
海から水をひいた池が潮の干満に応じて水位が上下する潮入式池泉回遊庭園は訪れるタイミングによって情景を変える。庭園には大正時代に建てられた茶室や浜座敷、数々の門があり、往時をしのばせる。なかでも1915(大正4)年築の和洋折衷の主屋(庭園から見れば二階建てに見える)から、広大な庭園を一望できる眺めが素晴らしい。また、屋久杉を用いた繊細な欄間彫刻も美しい。
庭園内は松林が美しく繁り、時おり魚の跳ねる音やカワセミなどの野鳥の囀りが静けさを一層際立たせ、フジやツツジの時期には庭園を華やかに彩る。園内には、庭園に海からの涼しい風を送り込むために手掘りで開削されたトンネルがある。近代和風建築の主屋、茶室などをゆったりと鑑賞したり、座敷に座って庭の全景を眺めたりしながら心安らぐひと時を過ごしたい。
庭園内は松林が美しく繁り、時おり魚の跳ねる音やカワセミなどの野鳥の囀りが静けさを一層際立たせ、フジやツツジの時期には庭園を華やかに彩る。園内には、庭園に海からの涼しい風を送り込むために手掘りで開削されたトンネルがある。近代和風建築の主屋、茶室などをゆったりと鑑賞したり、座敷に座って庭の全景を眺めたりしながら心安らぐひと時を過ごしたい。

補足情報
*1 新田長次郎:明治21年に日本で初めて動力伝動用革ベルトを製作し、世界有数のベルトメーカーとなった新田帯革製造所(現 ニッタ株式会社)の創業者
*2 青石:緑泥片岩のことで緑色をしているのでこの名がある。紀州青石は古くから知られ、建築用材や庭石などに用いられる。
*3 紀州の名園:新田の在世中に一般人にも開放されるようになり、没後はその遺志により現在は「公益財団法人琴ノ浦温山荘園」が管理にあたっている。
*2 青石:緑泥片岩のことで緑色をしているのでこの名がある。紀州青石は古くから知られ、建築用材や庭石などに用いられる。
*3 紀州の名園:新田の在世中に一般人にも開放されるようになり、没後はその遺志により現在は「公益財団法人琴ノ浦温山荘園」が管理にあたっている。
関連リンク | 琴ノ浦温山荘園(WEBサイト) |
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参考文献 |
琴ノ浦温山荘園(WEBサイト) 和歌山市観光協会(WEBサイト) 海南市まちづくり部 産業振興課 商工観光班(WEBサイト) 文化遺産オンライン(文化庁)(WEBサイト) |
2025年02月現在
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