洞川温泉の街並み
天川村は、蔵王権現を祀る大峯山寺がある大峰山(山上ヶ岳。標高1,719m)の麓にある。村の東北部、標高約820mにある洞川温泉は、大峰山から発し熊野川の源流ともなっている山上川のほとりに湧く。古来、大峰山は山岳信仰に神道や仏教などが習合した修験道の根本道場で、洞川はその登山基地として開けた。温泉を掘削したのは昭和に入ってからだが、2009(平成21)年には新源泉を掘り当て、2024(令和6)年には洞川温泉ビジターセンターが新築開業するなど、温泉地としても充実してきている。現在は、旅館・民宿や共同浴場施設などが20数軒あり、そのほかに土産物店や陀羅尼助丸*1を製造販売する店なども軒を連ねる。また、名水の地としても知られており、「ごろごろ水」*2・「泉の森」・「神泉洞」の3つからなる洞川湧水群があり、豊かな水は面不動鍾乳洞、五代松鍾乳洞*3なども造っている。
泉質は単純泉、泉温は30℃程度。近鉄吉野線下市口駅から国道309号~県道21号経由で約28km。下市口駅からバス便がある。
泉質は単純泉、泉温は30℃程度。近鉄吉野線下市口駅から国道309号~県道21号経由で約28km。下市口駅からバス便がある。
みどころ
洞川は修験道の行者の基地として栄えてきた。創業300年以上の宿もあり、レトロ感あふれる街並みを保全する努力がなされている。宿は参詣客や修験者が一斉に出立しやすいように道路側の縁が広くなった造りになっていたりして、独特の雰囲気を漂わせる。温泉街の洞川温泉観光案内所から山上ヶ岳登山口の大峯大橋までは約1時間の道のり。この道の途中、母公堂の脇に「女人結界」と彫られた石柱が立ち、大峯大橋の少し先に女人結界門がある。現在はこの門から先が女人禁制とされている。
また、この地は、日本屈指の多雨地帯に接し、水豊かな郷として知られている。水に関する信仰も盛んで、龍神信仰に関わりのある龍泉寺、水の分配を司る天水分(あめのみくまり)神社、水の神を祀る天河大辨財天社などが周辺に点在する。
山岳信仰にまつわる伝統・歴史と温泉を同時に楽しめるところである。
また、この地は、日本屈指の多雨地帯に接し、水豊かな郷として知られている。水に関する信仰も盛んで、龍神信仰に関わりのある龍泉寺、水の分配を司る天水分(あめのみくまり)神社、水の神を祀る天河大辨財天社などが周辺に点在する。
山岳信仰にまつわる伝統・歴史と温泉を同時に楽しめるところである。
補足情報
*1 陀羅尼助丸:役行者が白鳳年間にオウバク(黄柏)のエキスを陀羅尼経(だらにきょう)を唱えながら煮詰め、これを「陀羅尼助(だらにすけ)」と名づけて施薬を行ったのが始まりとされる、和漢胃腸薬。今も洞川などで製造されている。
*2 「ごろごろ水」:五代松鍾乳洞の脇から湧出。洞穴内を流れる水が反響して「ごろごろ」と聞こえるというのが名の由来。昔から「神の水」とされてきた。採水場として「ごろごろ茶屋」が整備されている(採水は有料)。
*3 面不動鍾乳洞、五代松鍾乳洞:面不動鍾乳洞は洞川温泉街を見下ろす高台にあり、全長約280m。最大の洞穴は直径約5~6m、高さ10m以上。鍾乳洞の中は平均気温8℃。五代松鍾乳洞は奥行き80m以上で、鍾乳石は4mほどのものある。石柱の最大のものは高さ8mにもおよぶ。ともに入洞有料。
*2 「ごろごろ水」:五代松鍾乳洞の脇から湧出。洞穴内を流れる水が反響して「ごろごろ」と聞こえるというのが名の由来。昔から「神の水」とされてきた。採水場として「ごろごろ茶屋」が整備されている(採水は有料)。
*3 面不動鍾乳洞、五代松鍾乳洞:面不動鍾乳洞は洞川温泉街を見下ろす高台にあり、全長約280m。最大の洞穴は直径約5~6m、高さ10m以上。鍾乳洞の中は平均気温8℃。五代松鍾乳洞は奥行き80m以上で、鍾乳石は4mほどのものある。石柱の最大のものは高さ8mにもおよぶ。ともに入洞有料。
関連リンク | 大峯山洞川温泉観光協会(WEBサイト) |
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参考文献 |
大峯山洞川温泉観光協会(WEBサイト) 大峯山陀羅尼助製薬有限会社ホームページ 大峰山登山参拝の御案内(WEBサイト) 金剛唯我 「役行者御一代記」明治25年 10/15 国立国会図書館デジタルコレクション |
2024年12月現在
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