野島断層(北淡震災記念公園)のじまだんそう(ほくだんしんさいきねんこうえん)

1995(平成7)年1月17日の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では、マグニチュード7.3、最大震度7を記録し、未曾有の被害をもたらした。この地震は活断層である野島断層によってひきおこされたものであるが、その断層による地面のズレが、淡路市(旧北淡町)小倉地区などで約10kmにわたって現われた。そのズレは道路をはじめ畑の畦、生垣などに見られ、副断層も現出し著しい地形の変化を生じさせた。北淡震災記念公園にある野島断層保存館では、このうち約140mにわたっての地層断層による地形の変化*を保存展示しており、これを観察することによって自然の脅威を後代に伝えていくことを目的として開設された。
 野島断層保存館は、断層保存ゾーンをはじめ、震災に耐えた神戸市長田区の公設市場の防火壁「神戸の壁」や、断層が真横を横切っている民家を保存した「メモリアルハウス」、震災体験館、セミナーハウスなどが設けられている。物産館は、体験型ミュージアム「AWAJI EARTH MUSEUM」として、2025(令和7)年3月20日に新たにオープン。淡路島にこだわったカフェやショップも併設。
 この北淡震災記念公園へのアクセスは、淡路インターチェンジより約11km、岩屋港からは約12km。岩屋港からは、あわ神あわ姫バスがある。1~11月が無休、12月下旬に臨時休業日あり。野島断層保存館への入館は有料。
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みどころ

公園の北側には鎮魂碑や慰霊碑が立てられており、南側には南に向かって細長い建物の野島断層保存館がある。保存館では兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で現われた断層をそのまま保存している。保存館の体育館のような建物の中には、道路や畑の畦、生垣などが当時のまま保存され、断層の激しさやその高さ、長さ、方向性などを目の当たりにすることができる。段差の激しさはもとより、生垣や屛の曲がり方にも驚かされる。別棟として断層の真横にあった民家もそのまま残されており、とくに台所の荒れ果て方が凄まじい。また、断層のメカニズムも分かるような展示解説がなされている。
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補足情報

*地形の変形:野島断層では、この地でアスファルト舗装道路の真下を横切ったため、上下に約50cm、水平方向に最大1.3mズレた状態がそのまま保存された。また、道路を横切った断層には、主断層と並行して最大上下約25cm、水平方向に約40cmずれた副断層も現れている。
関連リンク 北淡震災記念公園(株式会社ほくだん)(WEBサイト)
参考文献 北淡震災記念公園(株式会社ほくだん)(WEBサイト)
野島断層北淡震災記念公園パンフレット・館内説明板

2025年03月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。