湯村温泉
JR山陰本線浜坂駅から南へ約9km、春来川のほとりに湧く山あいの温泉。開湯伝説として848(嘉祥元)年慈覚大師が開湯(開発)したと伝わるが、文献上でも平安中期の「和名類聚抄」には「二方郡」の項に「温泉 由」とあり、漢字2字で「ゆ」と読ませていたことが記されている。江戸時代に至っても、江戸中期の「但馬考」には、「此郷の湯村に温泉あるゆえ」に温泉郷と称するとし、江戸後期の「但馬大絵図」にも「湯村」の記載がみられ、古代から続く温泉場として知られてきた。さらにこの古湯は、1981(昭和56)年のNHKテレビドラマ「夢千代日記」*の舞台となり、一躍脚光を浴び、全国各地から広く入湯客を集めることとなった。
温泉街は春来川両岸に形成され、その間を縫って飲食店・みやげ物店が立ち並び、温泉街のほぼ中央、春来川の河岸には「荒湯」と呼ばれる自噴の源泉がある。温泉街のシンボルともなっている「荒湯」では専用の湯壺で卵(「荒湯たまご」)・野菜などの食物を煮たり、茹でたりができ、足湯の施設も用意されている。荒湯の湧出温度は98℃、泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)で無色透明、湧出量は毎分470Lを誇っている。温泉街には10数軒の宿泊施設があり、温泉街の東、国道9号線側の高台に鉄筋コンクリート建の近代的な旅館が建ち、春来川沿いの温泉街に比較的小規模な宿泊施設が点在する。共同浴場は荒湯近くに「薬師湯」がある。
また、温泉街にはテレビドラマ「夢千代日記」に因み湯村温泉博覧館「夢千代館」があり、昭和30年代の温泉街の再現コーナーやドラマのセット、小道具が展示されている。「薬師湯」、「夢千代館」ともに有料。
温泉街は春来川両岸に形成され、その間を縫って飲食店・みやげ物店が立ち並び、温泉街のほぼ中央、春来川の河岸には「荒湯」と呼ばれる自噴の源泉がある。温泉街のシンボルともなっている「荒湯」では専用の湯壺で卵(「荒湯たまご」)・野菜などの食物を煮たり、茹でたりができ、足湯の施設も用意されている。荒湯の湧出温度は98℃、泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)で無色透明、湧出量は毎分470Lを誇っている。温泉街には10数軒の宿泊施設があり、温泉街の東、国道9号線側の高台に鉄筋コンクリート建の近代的な旅館が建ち、春来川沿いの温泉街に比較的小規模な宿泊施設が点在する。共同浴場は荒湯近くに「薬師湯」がある。
また、温泉街にはテレビドラマ「夢千代日記」に因み湯村温泉博覧館「夢千代館」があり、昭和30年代の温泉街の再現コーナーやドラマのセット、小道具が展示されている。「薬師湯」、「夢千代館」ともに有料。

みどころ
高台の国道9号線側は近代的な宿泊施設が建ち並び、古い山の湯とは思えない雰囲気だが、春来川沿いに下ると、一気に昭和の温泉街の雰囲気が漂う。浴衣姿でそぞろ歩きするのが似合う。とくに、温泉街の中心にある、荒湯にはぜひ立ち寄りたい。高温の源泉が沸々と湧き上がる様子が間近で見られるとともに、野菜や卵を煮たり、茹でたりできる湯壺もある。湯煎を楽しみたい人は、卵などは近くの土産物店などに置かれているので試してみるのも面白い。また、各宿泊施設の内湯も良いが、浴衣姿で荒湯近くの共同浴場の薬師湯に行き、温泉情緒もたっぷり楽しみたい。

補足情報
*「夢千代日記」:早坂暁作、吉永小百合主演のテレビドラマ。主人公の芸者置き屋のおかみ・夢千代は広島で胎内被爆し、白血病で自らの命を長くないと知っている。その夢千代が綴る日記を借り、その周辺で織りなされる人間模様と様々な人生の哀歓を描いている。この舞台となっているのが湯村温泉で、荒湯から春来川上流すぐの橋を渡ったところに、吉永小百合の手形や夢千代像が立っている。
関連リンク | 湯村温泉 湯けむり荒湯 ~夢千代の里~(湯村温泉観光協会)(WEBサイト) |
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関連図書 | 「但馬大絵図」(西尾市岩瀬文庫) |
参考文献 |
湯村温泉 湯けむり荒湯 ~夢千代の里~(湯村温泉観光協会)(WEBサイト) 「夢千代日記」 日本放送協会(WEBサイト) 「和名類聚抄」81・82/99 国立国会図書館デジタルコレクション 「但馬考 校補」大正11年 304/470 国立国会図書館デジタルコレクション 「夢千代館」パンフレット |
2025年03月現在
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