国立文楽劇場で上演される文楽こくりつぶんらくげきじょうでじょうえんされるぶんらく

国立文楽劇場は、独立行政法人日本芸術文化振興会によって運営され、文楽*のほか、日本舞踊や大衆芸能などを上演する。大阪メトロ堺筋線・千日前線日本橋駅、近鉄線近鉄日本橋駅7号出口から徒歩1分に立地する。
 財団法人文楽協会(現・公益財団法人文楽協会)が 1963(昭和38)年に松竹株式会社から文楽の公演を引き継ぐと、大阪で上演されてきた文楽の国立劇場を地元・大阪に開設するための検討が進んだ。その結果、大阪市立の小学校跡地を活用することが決まり、1984(昭和59)年に現在地に開設された。
 劇場施設は、文楽劇場(総席数753席)、小ホール(同159席)に分かれており、文楽劇場では主に人形浄瑠璃文楽をはじめ、舞踊、邦楽などの伝統芸能が上演される。小ホールでは主に落語や漫才、浪曲などの大衆芸能を上演する「上方演芸特選会」などが開催される。
 こうした主催公演に加え、文楽を演じる太夫・三味線・人形遣いを養成する役割も担っている。
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みどころ

1階にある「資料展示室」では、文楽、人形浄瑠璃に関する歴史、太夫・三味線・人形のそれぞれの演者の役割や技術、舞台道具などを初心者にもわかりやすく紹介している。上演中、客席で聞くことができるイヤホンガイド(有料)による解説もあるが、鑑賞前後に資料展示室へ足を運んでみてはいかがだろう。ビジュアル主体の簡明な展示が中心で、文楽への興味がさらに増すことは間違いない。企画展として、公演中の演目に関連した舞台装置や道具が展示されることもあり、鑑賞の楽しみもより深まる。
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補足情報

*文楽:人形浄瑠璃の系譜に連なる芸能で特に大坂で発展したもの。歌舞伎や能楽などと並び、日本を代表する伝統芸能の一つで、三業(さんぎょう)=太夫・三味線・人形が一体となって演じられる総合芸術。江戸時代の初め、人形芝居が浄瑠璃や三味線と結びついて誕生したとされる。竹本義太夫の義太夫節と近松門左衛門の作品によって人形浄瑠璃は全盛期を迎えた。当時の大坂は、町人中心の自由闊達な文化があり、義理と人情を鮮やかに描いた作品は多くの人々の共感を生み、支持された。幕末に、淡路から来た植村文楽軒が現在の国立文楽劇場付近に設けた浄瑠璃小屋がその後、「文楽座」を名乗り、人形浄瑠璃の代名詞となった。その後、文楽は松竹株式会社が興行を担うようになったが、1963(昭和 38)年に同社が撤退し、以降は財団法人文楽協会(現・公益財団法人文楽協会)が保存及び普及に関する事業を行っている。内容は、赤穂浪士による吉良邸討ち入りを題材とした「仮名手本忠臣蔵」のような「時代物」、若い男女の心中事件を題材とした「曽根崎心中」のような「世話物」に区分される。2008(平成 20)年、ユネスコによって「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載された。
関連リンク 国立文楽劇場(WEBサイト)
参考文献 国立文楽劇場(WEBサイト)
公益財団法人文楽協会(WEBサイト)
独立行政法人日本芸術文化振興会(WEBサイト)
「大阪府の歴史散歩 上」山川出版社

2025年03月現在

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