服部緑地はっとりりょくち

豊中市と吹田市にまたがり、天竺川、高川に囲まれ、松林や竹林が広がる丘陵に1950(昭和25)年に開設された府立公園。鶴見緑地(大阪市鶴見区、守口市)、大泉緑地(堺市北区、松原市)、久宝寺緑地(大阪市平野区、八尾市、東大阪市)と並ぶ、府内4大緑地の一つでもある。大阪のターミナル・大阪メトロ御堂筋線梅田駅から直通する北大阪急行緑地公園駅から緑道をたどり徒歩約5分と、アクセスのよさが強み。
 126万3,000m2の広大な園内には、シンボルの「円形花壇」を中心に、「谷あいの原っぱ」「集いの原っぱ」といった多目的スペースをはじめ、竹林が広がる「いなり山」、大型遊具を備える「こどもの楽園」などが配され、7つの池が点在し、地域住民に憩いの場として親しまれている。また、野外博物館の始まりとして知られる日本民家集落博物館、都市緑化植物園、野外音楽堂、乗馬センター、バーベキュー広場「バーベックマルシェ」(季節営業)、「ウォーターランド」(夏期のみ営業)などの展示施設やレクリエーション施設、陸上競技場、テニスコート、人工芝サッカー場、軟式野球場などのスポーツ施設もある。
 天竺川・高川沿いの松並木は「とよなか百景」、園北側にある竹林は「千里丘陵の竹林」として、都市開発が進む同地にあって貴重な自然環境が残されている。
#

みどころ

園内には広大な緑地が広がるが、なかでも園内中央に位置する「円形花壇」は必見である。1959(昭和34)年に平成天皇(現・上皇陛下)のご成婚を記念して設けられ、甲子園球場のグラウンドとほぼ同じ大きさ。季節の花が楽しめる花壇や「仔牛と女」など4基の彫刻、梅塚古墳がある。
 「円形花壇」を北に進み、「日本民家集落博物館」も訪れてみたい(有料)。日本で初めての野外博物館として、1956(昭和31)年に開設され、17〜19世紀に建てられた日本各地の代表的な民家を移築・復元し、民具と合わせて展示している。現在、岩手県南部の曲家(まがりや)や岐阜県白川郷の合掌造りの民家、鹿児島県奄美大島の高倉など計12棟が移設され、見学できる。いずれも国や大阪府の指定文化財の貴重な民家である。地元・関西からは「摂津能勢の民家」「北河内の茶室」「河内布施の長屋門」 (いずれも大阪府)、「大和十津川の民家」(奈良県)を展示している。