大槻能楽堂おおつきのうがくどう

大槻能楽堂は、1935(昭和10)年に大槻十三によって創立された。その後、第二次世界大戦の戦渦を逃れ、終戦当時大阪市内唯一の能楽堂として、様々な催しを開催し大阪の能楽界と大阪の文化に大きく貢献したとして、1956(昭和31)年11月に「大阪府芸術賞」を受賞。1983(昭和58)年、能楽堂建物は木造から鉄筋コンクリートへと改築した。2019(令和元)年度からは改修工事を行い、座席、照明、空調、バリアフリー化等、設備を一新し、多目的に使用できる施設となった。創立から現在に至るまで、大阪の能楽を継承していく拠点として、また、後継者である若手が研鑽を積む稽古場として、非常に重要な役割を担っている。
 大阪メトロ谷町線・中央線谷町四丁目駅、大阪メトロ谷町線・長堀鶴見緑地線谷町六丁目駅から、それぞれ徒歩5分。
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みどころ

大槻能楽堂能舞台は、登録有形文化財(建造物)に登録されている。
 能舞台は当初のまま組み直し、能楽の音楽的特質を考慮して残響時間を約1秒に設定、照明設備は舞台天井への直接組み込まれている。
 三間四方の能舞台を持つ能楽堂であり、桁行梁間とも5.7m、切妻造妻入、檜皮葺で、橋掛りの背景は大阪城のもっとも大きい石垣を実物大に写し取るなどの工夫がされている。舞台四方の頭貫上に中世風意匠の蟇股を置き、虹梁絵様や頭貫木鼻に華やかな渦紋を彫るなど、材工ともに質の高い能舞台である。さらに舞台・鏡板の老松は日本画家・大塚春嶺(1861-1944)の揮毫である(能舞台の鏡板では唯一)。
 また、主催公演「自主公演能」は、1984(昭和59)年から今日に至るまで、700回以上にわたり毎月継続的に開催されている。演能を広く普及させるために、全国から名人名手を招へいし、一流一派に偏らず多くの役者の演能が鑑賞できる。
関連リンク 大槻能楽堂(WEBサイト)
参考文献 大槻能楽堂(WEBサイト)

2025年03月現在

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