堺市のふとん太鼓さかいしのふとんだいこ

「ふとん太鼓」は西日本各地に存在する太鼓台といわれるもので、祭りの山車の一種。地域によって形状が千差万別である。堺市内では、5枚の布団に大きな房を4つ付けたものを、60人ほどの担ぎ手が担ぎ上げ、太鼓の音に合わせて房を揺らしながら進むのが大きな特徴。また、堺の宮大工が作り出した、蒲団を乗せる台の下に小屋根のある堺独自の形状の「ふとん太鼓」も存在する。明治45年以降、堺百町といわれる現在の堺市各地に「ふとん太鼓」は伝播されていき、伝統文化を守りながら拡大を続け、現在の堺市全体の台数は戦前の堺旧市街地の台数(30数基)を超える台数となっている。堺市では、9月~10月にかけて、10か所の神社で「ふとん太鼓」が繰り出される。神社ごとに数は異なり、一番多いのは百舌鳥八幡宮で、大人用9基、子ども用9基の「ふとん太鼓」が出る。
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みどころ

2023(令和5)年の開口(あぐち)神社の八朔祭では、9月9日、4台の「ふとん太鼓」が4地区から開口神社に宮入りをした。9日の夜、4単組の競演が激しく行われ、終わると餅撒きになり、こどももおとなも餅拾いに殺到する。9日夜がピークで、大変な賑わいを見せた。10日は宮出。「ふとん太鼓」は静かに、開口神社から地域に帰った。1台に数百もの彫刻が施され、5枚のふとんに大きな4つの房を付け、高さ4m、大人や子どもが乗ると総重量約2tにもなる「ふとん太鼓」。一度に約60人の担ぎ手が肩を入れて担ぎ上げ、乗り手が叩く太鼓の音に合わせて足を運び、大きな房を振らせる光景は「走る芸術品」ともいわれる。「べーらべーら、べらしょっしょい」の掛け声とともに「鼓童(こどう)」と呼ばれる乗り子が叩く太鼓の音に合わせて進む。『四隅についている大きな房をいかに美しく振るか』も「ふとん太鼓」のみどころである。
関連リンク 開口神社(WEBサイト)
参考文献 開口神社(WEBサイト)

2025年03月現在

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