樂美術館らくびじゅつかん

地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩で約13分、京都御所の西方、油小路通に面している。1978(昭和53)年開館。樂焼窯元・樂家*の歴代の茶碗などの作品を中心に、樂家に伝わった茶道工芸品や古文書、絵画、竹木工芸品など約1,200点を所蔵、年3回の展覧会で公開している。これらは好事家のコレクションではなく、450年にわたって、歴代が自らの研究、勉強の対象として、また後の代のため伝えてきたものである。きわめて質の高い物であり、特に本阿弥光悦の作品などを含む樂茶碗のコレクションは他に類例を見ない。
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みどころ

初代長次郎が1574(天正2)年に制作した「二彩獅子像」(重要文化財)は、樂焼のルーツを物語る桃山陶彫刻の優品。茶碗だけでなく、花入や香炉などの名品も多い。年に4回、館蔵品で取り合わせ、歴代の樂茶碗を手にとって鑑賞できる「水月雪花之茶会」を開催している。
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補足情報

*樂家:樂家初代の長次郎は黒釉(こくゆう=黒いうわぐすり)をかけた茶碗に優れた技量を見せた。2代吉左衛門・常慶は今日の樂家の基礎を築いた。本阿弥光悦と親交があり、江戸幕府との関係も保ち、東京・増上寺の徳川秀忠の墓からは常慶作の香炉が発掘されている。以後連綿と続き、現在16代。
関連リンク 公益財団法人 樂美術館(WEBサイト)
参考文献 公益財団法人 樂美術館(WEBサイト)
「全国博物館総覧」ぎょうせい
「京都ミュージアム探訪」京都市内博物館施設連絡協議会

2025年05月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。