実相院じっそういん

叡山電鉄鞍馬線岩倉駅から徒歩20分。岩倉門跡とも呼ばれる門跡寺院で、もとは天台宗寺門派であったが、現在は単立寺院である。1229(寛喜元)年、関白近衛基通の孫・静基僧正が紫野に創建。のちに現・上京区実相院町に移り、応仁の乱の戦火を避けて現在地に再移転した。寛永年間(1624~1644)、足利義昭の孫・義尊が皇室や徳川家の援助を受けて復興。寛文年間(1661~1673)に後西天皇の皇子・義延親王が入寺して以来、宮門跡が続いた。背後に山が迫る静かな境内には、東山天皇中宮の旧殿を賜った客殿などが建ち、境内は桜や新緑、紅葉の名所として知られる。
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みどころ

客殿(本堂)、山門、御車寄は、東山天皇の中宮・承秋門院の旧殿を1721(享保6)年に移築したもの。客殿は狩野派の襖絵で飾られている。庭園は比叡山を借景とする枯山水の石庭*と、池泉回遊式庭庭園の2つがある。後者は新緑や紅葉が美しく、客殿の黒漆塗りの床に映る「床みどり」「床もみじ」が有名。寺宝として、後陽成天皇宸翰「仮名文字遣」(重要文化財)、実相院日記などを所蔵する。
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補足情報

*石庭:「こころのお庭」という。2013~2014年の「実相院こころのお庭プロジェクト」により大改修された。明治期の有名な作庭家・7代小川治兵衛直系の小川勝章氏が監修し、市民参加により作庭。海や雲に見立てた石庭に波を表す木製オブジェを配し、苔で日本列島を表現している。
関連リンク 実相院門跡(WEBサイト)
参考文献 実相院門跡(WEBサイト)

2025年05月現在

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