久多の花笠踊
久多の花笠踊(国指定重要無形民俗文化財)は、室町時代に流行した室町小歌の伝統を残すと伝えられる風流踊(ふりゅうおどり)*である。滋賀県との府県境に近い、京都市左京区の北東端・久多地区にある志古淵(しこぶち)神社が中心となる。京都駅から国道367号経由で約45km、車で1時間20分ほどで到達する。
久多の花笠踊は、地元で「花笠」と呼ぶ美しい造花で飾った灯籠を手に持ち、締太鼓に合わせて静かに歌い踊るもの。上(かみ)の組と下(しも)の組の2組に分かれ、互いに競い合うように伝承され、演じられてきたものである。花笠は花宿(はなやど)と呼ばれる家で、町内の人によって10数基が手作りされる。8月24日の夜、花笠を持った男性が各花宿から出発し、まずは上の宮神社に集まり、祝詞(のりと)をあげ花笠踊を奉納する。その後、大川神社を経て志古淵神社の神前で花笠踊を奉納する。五穀豊穣の成就に感謝するものである。
久多の花笠踊は、地元で「花笠」と呼ぶ美しい造花で飾った灯籠を手に持ち、締太鼓に合わせて静かに歌い踊るもの。上(かみ)の組と下(しも)の組の2組に分かれ、互いに競い合うように伝承され、演じられてきたものである。花笠は花宿(はなやど)と呼ばれる家で、町内の人によって10数基が手作りされる。8月24日の夜、花笠を持った男性が各花宿から出発し、まずは上の宮神社に集まり、祝詞(のりと)をあげ花笠踊を奉納する。その後、大川神社を経て志古淵神社の神前で花笠踊を奉納する。五穀豊穣の成就に感謝するものである。

みどころ
手作りによる花笠は六角形の側面に繊細な透かし絵が張られた灯籠の上に、和紙や竹などでつくられた様々な精巧な花が乗せられている。花笠の灯籠とその上の花の造形美に魅せられる。この花笠を持った男性が、締太鼓に合わせ歌を歌いながら、ゆっくりと踊る。激しさはないが、花笠の灯りが夜の闇に揺れ、幽玄で美しい。
現在は、大人の男性が花笠を持って踊るが、以前は少年が頭に花笠をのせて踊ったという。中にロウソクを灯した灯籠を頭に載せて踊る「灯籠踊*」は、京都を中心に中世~近世に流行した風流踊の一つ。
現在は、大人の男性が花笠を持って踊るが、以前は少年が頭に花笠をのせて踊ったという。中にロウソクを灯した灯籠を頭に載せて踊る「灯籠踊*」は、京都を中心に中世~近世に流行した風流踊の一つ。

補足情報
*風流踊:太鼓、鼓、笛、鉦などの囃子に合わせて歌いながら踊る群舞。華やかな、人目を惹くという「風流(ふりゅう)」の精神を体現し、衣装や持ち物に趣向をこらした民俗芸能。除災や死者供養、豊作祈願、雨乞いなど安寧な暮らしを願う人々の祈りが込められている。室町時代から近世初頭に盛行した。今日各地で行われている盆踊り、花笠踊りなどもこの踊りの発展形と言われている。
*灯籠踊:灯籠を頭に載せて踊る盆の風流踊。室町時代に京都で起こり各地に広がった。京都の八瀬・久多、広島、岩手などに残る。八瀬赦免地踊は多面体の切子灯籠を女装した13~14歳の男子が頭に載せる。
*灯籠踊:灯籠を頭に載せて踊る盆の風流踊。室町時代に京都で起こり各地に広がった。京都の八瀬・久多、広島、岩手などに残る。八瀬赦免地踊は多面体の切子灯籠を女装した13~14歳の男子が頭に載せる。
関連リンク | 京都市左京区(WEBサイト) |
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参考文献 |
京都市左京区(WEBサイト) 京都市観光協会 京都観光Navi(WEBサイト) 国指定文化財等データベース 文化庁(WEBサイト) 京都をつなぐ無形文化遺産 ─久多の花笠踊─ 公益財団法人京都市文化観光資源保護財団(WEBサイト) 文化庁「風流踊」のユネスコ無形文化遺産への提案 |
2025年06月現在
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