同志社大学(今出川)どうししゃだいがく(いまでがわ)

同志社大学今出川キャンパスは京都御苑の北側にあり、地下鉄烏丸線今出川駅からすぐにアプローチできる。同志社大学は、明治初期に新島襄*が設立した同志社英学校がルーツで、キリスト教主義による教育を行う総合教育機関*であり、「幼稚園より大学に至る」一貫教育を目指している。同志社大学は現在14学部と16研究科(大学院)があり、今出川キャンパスは人文・社会科学系の研究拠点。徒歩圏内に新町キャンパス、室町キャンパス、烏丸キャンパスの3つのキャンパスがあり、この4つのキャンパスを総称して「今出川校地」という。今出川キャンパスにはレンガ造の学舎やチャペルが立ち並び、このうち重要文化財の建物が5棟ある。
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みどころ

今出川キャンパスは1876(明治9)年から続く歴史のあるキャンパス。立ち並ぶ学舎には、建てられた時期や設計者は違っても赤レンガが使われ、また現代になって建てられた建物もレンガ調で、キャンパス全体に統一感があり見事である。緑も多く整然としている。
 今出川キャンパスには重要文化財の建物が5棟あり、これらの建物の概要・特徴を以下に示す。
●彰栄館(しょうえいかん):1884(明治17)年に竣工。京都市内に現存する最古級のレンガ造建築。アメリカン・ゴシック調の洋風な外観に対して、内部の間仕切壁や小屋組など、構造形式は純和風になっている。塔屋は鐘塔と時計塔を兼ねた特徴的なデザインである。
●同志社礼拝堂(チャペル):1886(明治19)年に竣工。プロテスタントのレンガ造チャペルとしては日本に現存する最古の建物。正面から見ると三角屋根と円形のバラ窓、左右にアーチ窓が美しく、ゴシック建築の特徴が出ている。このチャペルでは同志社の卒業生、教職員が結婚式を挙げられる。
●有終館(ゆうしゅうかん):1887(明治20)年に竣工。書籍館と呼ばれたが、その役目を終えた際に、第8代同志社総長が「有終館」と名付けたもの。建物の平面の十字形が特徴である。
 上記3棟は1882年から1887年まで同志社英学校で教師を務めたD.C.グリーンの設計である。
●ハリス理化学館: ハリス理化学校(理工学部の前身)の校舎として建てられた。大阪川口居留地にあった聖三一神学校で英語教師の後、建築家として活躍したA.N.ハンセルによる設計で、1890(明治23)年に竣工。連続する三角屋根が特徴。現在は、同志社の歴史や創立者・新島襄などを紹介する、ハリス理化学館同志社ギャラリーとなっている。
●クラーク記念館: B.W.クラーク夫妻からの寄付によって建てられ、1894(明治27)年に開館。当初は「クラーク神学館」として、神学教育と研究に利用されていたが、現在の神学館の完成に伴い「クラーク記念館」と改名された。旧ロシア領事館(函館市) などを設計したR.ゼールの設計によるレンガ造で、尖塔が印象的。ドイツのネオ・ゴシックを基調とする建築物で、同志社のランドマークとなっている。1階にキリスト教文化センター、2階にはクラークチャペル、1階と2階それぞれに教室がある。
 今出川キャンパスは、北隣に室町幕府3代将軍・足利義満が創建した相国寺、南には京都御苑が広がるという、魅力的なエリアに立地している。
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補足情報

*新島襄:1843~1890年。幕末にアメリカに渡り、神学を学んで1874(明治7)年帰国。翌年同志社英学校を創立した。
*総合教育機関:同志社大学、同志社女子大学のほか、4つの高等学校、4つの中学校、小学校、国際学院、幼稚園からなる。
関連リンク 同志社大学(WEBサイト)
参考文献 同志社大学(WEBサイト)

2025年05月現在

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