宇治上神社
京阪宇治駅から宇治川沿いに歩いて約10分。菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)*、応神天皇、仁徳天皇を祀る古社で、世界文化遺産に登録されている。もとは隣接する宇治神社と一体の神社であった。大吉山の山裾に位置する静かな境内は、菟道稚郎子と仁徳天皇の伝説を語るにふさわしいところである。平安時代後期に建立された本殿は現存日本最古の神社建築とされ、鎌倉時代造営の寝殿造の拝殿とともに国宝に指定されている。境内には鎌倉時代に建てられた春日神社(重要文化財)などの摂社・末社もあり、宇治七名水のひとつ「桐原水」が今も湧き出している。

みどころ
本殿は平安時代後期に伐採された木材が使われていることがわかっており、わが国最古の神社建築。檜皮葺の建物内に一間社流造の内殿3棟が並んでおり、中央に応神天皇、向かって左に仁徳天皇、右に菟道稚郎子を祀る。左右の社殿は中央より大きく、正面の蟇股は日本三蟇股*の一つ。装飾的な傾向に移る過渡期の形式のものである。拝殿は鎌倉時代の寝殿造の貴重な遺構。中央に板扉、左右に蔀戸を配し、周囲に縁を巡らす。縋破風(すがるはふ)という手法を用いた屋根も美しい。切妻造の両端に庇を付けたもので、入母屋造のように見える。

補足情報
*菟道稚郎子:宇治の古代表記の菟道(うじ)が付くことから、宇治に関連深い人物と考えられる。応神天皇の皇子で、皇太子にたてられたが、応神天皇の崩御後、兄の大鷦鷯尊(おおささぎのみこと。のちの仁徳天皇)が皇位につくことを願って自殺をした美談(日本書紀)や、夭折をしたという説(古事記)、播磨風土記には郎子を指すとみられる「宇治天皇」という記述もあり、謎の多い人物である。
*日本三蟇股:宇治上神社本殿のほか、醍醐寺の薬師堂、平泉中尊寺金色堂にあるものをいう。
*日本三蟇股:宇治上神社本殿のほか、醍醐寺の薬師堂、平泉中尊寺金色堂にあるものをいう。
関連リンク | 宇治上神社(WEBサイト) |
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参考文献 |
宇治上神社(WEBサイト) 京都府(WEBサイト) パンフレット「平等院表参道」 |
2025年05月現在
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