鴨川をどりは先斗町歌舞練場で毎年5月1～24日に行われる舞踊公演。京都五花街＊の一つである先斗町の歌舞会に所属する芸妓・舞妓が歌舞を華やかに披露する。先斗町歌舞練場は、京阪本線三条駅・地下鉄東西線京阪三条駅から徒歩5分。
　鴨川をどりは、1872（明治5）年に開かれた第1回京都博覧会の観光客誘致策の一環として演じられたのが始まりである。以来、中断された時期もあったが150年余にわたって継承。1951（昭和26）年から1998（平成10）年までは、春・秋の年2回上演されるなど、五花街の舞踊公演中、最も上演回数が多い。
　先斗町歌舞練場は1927（昭和2）年の竣工。大阪松竹座（1923年）、東京劇場（1927年）などを手掛けた劇場建築の名手・木村得三郎が設計した。鉄筋コンクリート造り4階建て、全面にスクラッチタイルを貼った美しい建築で、完成当時は「東洋趣味を加味した近代建築」と賞賛された。
　この歌舞練場では春の鴨川をどりのほか、秋（10月）には先斗町の芸妓・舞妓による伎芸発表会「水明会＊」を開催。これら先斗町歌舞会の主催行事に加えて、さまざまなジャンルの演奏会や発表会、講演会などに幅広く一般利用されている。