京都国立博物館
貴重な文化財の殿堂として約130年の歴史を誇る京都国立博物館。京都駅から市バス博物館三十三間堂前下車すぐ、または京阪電車七条駅下車徒歩7分のところにある。京都駅からは徒歩20分ほどなので、バスに乗らず、散策がてら七条通を歩いていくのもいい。
始まりは、1889(明治22)年。都であった京都と奈良には社寺に伝えられた宝物が集中しており、それらを保護する目的で、東京だけではなく京都と奈良にも帝国博物館を設置する官制が定められた。1897(明治30)年に帝国京都博物館として開館。その3年後、京都帝室博物館と改称。1924(大正13)年には京都市へ下賜され、恩賜京都博物館と改められた。1952(昭和27)年には京都国立博物館と改称され、以後今日まで貴重な文化財の数々を保護・保管し、調査・研究、展示を重ねている。
建物は、帝国京都博物館の本館として1895(明治28)年に建てられた「明治古都館」と、2014(平成26)年に開館した「平成知新館」からなる。「明治古都館」は、”宮廷建築家”と呼ばれた片山東熊(かたやまとうくま)*の設計によるレンガ造りの洋風建築。改修のため展示は行っていないが(2025年5月現在)、重要文化財にも指定されたその建築美は、外観を眺めるだけでも十分に価値がある。「平成知新館」の設計は、ニューヨーク近代美術館新館などを手がけた世界的建築家・谷口吉生による。1階には彫刻をはじめ金工、書跡、染織、漆工の展示室と特別展示室があり、2階には絵巻、仏画、中世絵画、近世絵画、中国絵画、3階には陶磁器や考古資料が展示されている。多くの国宝・重要文化財を含む館蔵品と、社寺などからの寄託品を合わせると1万5,000件を超えているが、展示はその一部であり、おおむね1ヶ月半ごとに展示の入れ替えがある。平常展示(名品ギャラリー)に加え、特別展やイベント等も随時開催されている。庭園も美しく整備されており、ロダン作「考える人*」像、馬町十三重石塔*などを展示する。
始まりは、1889(明治22)年。都であった京都と奈良には社寺に伝えられた宝物が集中しており、それらを保護する目的で、東京だけではなく京都と奈良にも帝国博物館を設置する官制が定められた。1897(明治30)年に帝国京都博物館として開館。その3年後、京都帝室博物館と改称。1924(大正13)年には京都市へ下賜され、恩賜京都博物館と改められた。1952(昭和27)年には京都国立博物館と改称され、以後今日まで貴重な文化財の数々を保護・保管し、調査・研究、展示を重ねている。
建物は、帝国京都博物館の本館として1895(明治28)年に建てられた「明治古都館」と、2014(平成26)年に開館した「平成知新館」からなる。「明治古都館」は、”宮廷建築家”と呼ばれた片山東熊(かたやまとうくま)*の設計によるレンガ造りの洋風建築。改修のため展示は行っていないが(2025年5月現在)、重要文化財にも指定されたその建築美は、外観を眺めるだけでも十分に価値がある。「平成知新館」の設計は、ニューヨーク近代美術館新館などを手がけた世界的建築家・谷口吉生による。1階には彫刻をはじめ金工、書跡、染織、漆工の展示室と特別展示室があり、2階には絵巻、仏画、中世絵画、近世絵画、中国絵画、3階には陶磁器や考古資料が展示されている。多くの国宝・重要文化財を含む館蔵品と、社寺などからの寄託品を合わせると1万5,000件を超えているが、展示はその一部であり、おおむね1ヶ月半ごとに展示の入れ替えがある。平常展示(名品ギャラリー)に加え、特別展やイベント等も随時開催されている。庭園も美しく整備されており、ロダン作「考える人*」像、馬町十三重石塔*などを展示する。

みどころ
京都を中心に日本全国から収集した考古・陶磁・彫刻・絵画・書跡・染織・漆工・金工など様々な分野にわたる美術品・文化財を収蔵しており、「平成知新館」では膨大な数の収蔵品の中から、作品を入れ替えながら国宝や重要文化財を含む名品を展示している。展示作品が数多いため事前に展示スケジュールをチェックしてから訪れ、ゆっくりと鑑賞したい。
館内だけでなく庭園も見応えがある。噴水のあるエリアにはロダン作「考える人」像が設置されており、像から真正面に「明治古都館」を美しく見ることができる。「考える人」像と向かい合わせに立つ表門(西門)は、「明治古都館」と同じく片山東熊による設計で、重要文化財に指定されている美しい門である。また敷地内に豊臣秀吉が建立した方広寺の石垣の一部が残り、国の史跡となっている。
京都国立博物館の建つ場所は、かつて後白河法皇(1127~92)の御所・法住寺殿の一部でもあった。現在でも北に方広寺、豊国神社、南に蓮華王院(三十三間堂)、東には智積院とみどころが連なり歩いて周遊できるので、合わせて巡りたい。
館内だけでなく庭園も見応えがある。噴水のあるエリアにはロダン作「考える人」像が設置されており、像から真正面に「明治古都館」を美しく見ることができる。「考える人」像と向かい合わせに立つ表門(西門)は、「明治古都館」と同じく片山東熊による設計で、重要文化財に指定されている美しい門である。また敷地内に豊臣秀吉が建立した方広寺の石垣の一部が残り、国の史跡となっている。
京都国立博物館の建つ場所は、かつて後白河法皇(1127~92)の御所・法住寺殿の一部でもあった。現在でも北に方広寺、豊国神社、南に蓮華王院(三十三間堂)、東には智積院とみどころが連なり歩いて周遊できるので、合わせて巡りたい。

補足情報
*片山東熊:1854~1917年。明治期に活躍した建築家。多くの宮廷建築を設計。ネオ・ルネサンス、ネオ・バロック様式を基調にした建築を得意とし、旧日本赤十字病院、奈良国立博物館、京都国立博物館、東京国立博物館表慶館などを手掛けた。
*考える人:ロダンが制作した型から鋳造され、世界中にオリジナルが20体以上存在すると言われる。日本国内では京都国立博物館のほか、国立西洋美術館などにある。
*馬町十三重石塔:鎌倉時代作。源義経の家人、佐藤継信・忠信兄弟の墓と伝えられていた。南塔・北塔の2基がある。
*考える人:ロダンが制作した型から鋳造され、世界中にオリジナルが20体以上存在すると言われる。日本国内では京都国立博物館のほか、国立西洋美術館などにある。
*馬町十三重石塔:鎌倉時代作。源義経の家人、佐藤継信・忠信兄弟の墓と伝えられていた。南塔・北塔の2基がある。
関連リンク | 京都国立博物館(WEBサイト) |
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参考文献 |
京都国立博物館(WEBサイト) 「京都府の歴史散歩 中」山川出版社 「京都国立博物館へようこそ!」パンフレット 京都市観光協会 京都観光Navi(WEBサイト) 「全国博物館総覧」ぎょうせい |
2025年05月現在
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