本法寺
地下鉄烏丸線鞍馬口下車、徒歩約15分。表千家・裏千家の家元邸に向かい合う閑静な地にある。1436(永享8)年、日親上人*が東洞院綾小路の地に創建(開創時期や場所は諸説あり)。その後、法難や火災などで移転、再建を重ね、1587(天正15)年、豊臣秀吉の命により現在地へ移転した。その際、伽藍の整備に尽力したのが、芸術家・文化人として名高い本阿弥光悦*。本法寺は本阿弥家の菩提寺であり、光悦は父の光二とともに私財を投じて援助するとともに、「巴の庭*」を造った。
現在の本堂、開山堂、多宝塔、仁王門などの堂宇は、天明の大火後、1797(寛政9)年に再建されたもの。長谷川等伯*の「佛涅槃図」ほか多くの寺宝を所蔵する。
現在の本堂、開山堂、多宝塔、仁王門などの堂宇は、天明の大火後、1797(寛政9)年に再建されたもの。長谷川等伯*の「佛涅槃図」ほか多くの寺宝を所蔵する。

みどころ
暗渠となった小川に架けられた石橋を渡り、朱塗りの仁王門をくぐると、石畳の参道が斜めに伸びている。奥へ進むと多宝塔があり、その向かいに光悦筆の「本法寺」の額が掲げられた本堂が立つ。本堂向かって左手前には光悦手植えと伝わる松があり、絵筆を持って空を見上げる長谷川等伯の銅像が建てられている。
涅槃会館(宝物館)には長谷川等伯筆「佛涅槃図」の原寸大の複製が展示されている。縦10m、横6mもあり、その大きさ、精密さには圧倒される。真筆は重要文化財に指定されており、毎年3月14日~4月15日の春季寺宝展で公開される。等伯は61歳の時に、自身の家族や心を寄せた日蓮宗僧侶らの供養を目的に、この絵を描き本法寺に奉献した。
本阿弥光悦が作庭した「巴の庭」は書院の東側から南へ広がっており、3ヵ所の築山で巴紋を表現することから「三巴の庭」とも呼ばれる。ほかに、唐門裏には昭和に作庭された「十(つなし)の庭*」がある。
涅槃会館(宝物館)には長谷川等伯筆「佛涅槃図」の原寸大の複製が展示されている。縦10m、横6mもあり、その大きさ、精密さには圧倒される。真筆は重要文化財に指定されており、毎年3月14日~4月15日の春季寺宝展で公開される。等伯は61歳の時に、自身の家族や心を寄せた日蓮宗僧侶らの供養を目的に、この絵を描き本法寺に奉献した。
本阿弥光悦が作庭した「巴の庭」は書院の東側から南へ広がっており、3ヵ所の築山で巴紋を表現することから「三巴の庭」とも呼ばれる。ほかに、唐門裏には昭和に作庭された「十(つなし)の庭*」がある。

補足情報
*日親上人:1407~1488。室町中期の日蓮宗の僧侶。「立正治国論」を著し、時の将軍足利義教に献上し平和の招来を直言した。これが義教の逆麟にふれ、投獄されたうえに寺も焼かれてしまった。義教が課す刑罰は日毎に苛酷となり、灼熱の鍋をかぶせられる拷問を受けても説教したといい、「鍋かぶり日親」と呼ばれた。
*本阿弥光悦:1558~1637。江戸初期随一の文化人。家業の刀剣の鑑定・研磨のほか、絵画・陶芸・書道・茶道・作庭などに独創的な才能を発揮。鷹ケ峰に工芸集落をつくるなど、日本文化を伝えることに大きな功績を残した。
*巴(ともえ)の庭:国名勝。本阿弥光悦の作と伝わる。室町時代の書院風枯山水の影響を受けつつ、桃山時代の息吹も感じさせる名庭。書院の縁側前には円形石と、切石を並べて十角形にした蓮池が配置されており、「日」「蓮」を表現している。
*長谷川等伯:1539~1610。桃山時代に狩野派と対抗して、自身が確立した長谷川派を率いて活躍した画家。能登国の生まれ。33歳で上洛後、本法寺の塔頭、教行院に住んで制作活動を行った。「佛涅槃図」のほか、智積院所蔵の「楓図」などの障壁画(国宝)、「松林図屏風」(東京国立博物館蔵。国宝)などが代表作。
*十(つなし)の庭:庭に置かれている石の数が九つにもかかわらず「十の庭」とするのは、庭の石は九つでも、見る人の心にもう一つの石(意思)が存在することから名づけられた。なお、「十」を「つなし」と読ませるのは、数字を「ひとつ」、「ふたつ」と数えて「ここのつ」までは「つ」がつくが、「十」は「つ」がつかないことから。
*本阿弥光悦:1558~1637。江戸初期随一の文化人。家業の刀剣の鑑定・研磨のほか、絵画・陶芸・書道・茶道・作庭などに独創的な才能を発揮。鷹ケ峰に工芸集落をつくるなど、日本文化を伝えることに大きな功績を残した。
*巴(ともえ)の庭:国名勝。本阿弥光悦の作と伝わる。室町時代の書院風枯山水の影響を受けつつ、桃山時代の息吹も感じさせる名庭。書院の縁側前には円形石と、切石を並べて十角形にした蓮池が配置されており、「日」「蓮」を表現している。
*長谷川等伯:1539~1610。桃山時代に狩野派と対抗して、自身が確立した長谷川派を率いて活躍した画家。能登国の生まれ。33歳で上洛後、本法寺の塔頭、教行院に住んで制作活動を行った。「佛涅槃図」のほか、智積院所蔵の「楓図」などの障壁画(国宝)、「松林図屏風」(東京国立博物館蔵。国宝)などが代表作。
*十(つなし)の庭:庭に置かれている石の数が九つにもかかわらず「十の庭」とするのは、庭の石は九つでも、見る人の心にもう一つの石(意思)が存在することから名づけられた。なお、「十」を「つなし」と読ませるのは、数字を「ひとつ」、「ふたつ」と数えて「ここのつ」までは「つ」がつくが、「十」は「つ」がつかないことから。
関連リンク | 本法寺(WEBサイト) |
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参考文献 | 本法寺(WEBサイト) |
2025年05月現在
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