ふなずし
江戸前寿司や箱ずしの起源となるなれずしの一種。琵琶湖産のニゴロブナ*を塩漬けにし、さらにごはんに漬けて乳酸菌の力で発酵させる。ニゴロブナは2~5月に漁獲され、そこから仕込みが始まる。大きな魚だと発酵完了まで2年ほどかかる*。
なれずしはおもに正月などハレの日の食べ物として多くの家庭で作られていた。正月などのめでたい席では、たくさんの卵をもったニゴロブナのメスが珍重され、喜ばれる。
ふなずしには整腸作用や抗菌性などが期待されるため、日常の滋養食としても食卓にのぼっている。しかし、ニゴロブナの漁獲量は1965(昭和40)年ころ推定で500tあったが、1989(平成元)年には178t、1997年(平成9)年にはわずか18tに減少。そのため、漁業者と県がニゴロブナの増殖事業や資源管理に取り組み、近年は40~50tで推移している。
なれずしはおもに正月などハレの日の食べ物として多くの家庭で作られていた。正月などのめでたい席では、たくさんの卵をもったニゴロブナのメスが珍重され、喜ばれる。
ふなずしには整腸作用や抗菌性などが期待されるため、日常の滋養食としても食卓にのぼっている。しかし、ニゴロブナの漁獲量は1965(昭和40)年ころ推定で500tあったが、1989(平成元)年には178t、1997年(平成9)年にはわずか18tに減少。そのため、漁業者と県がニゴロブナの増殖事業や資源管理に取り組み、近年は40~50tで推移している。

みどころ
鼻が曲がるほど強い発酵臭をもつ食べ物は敬遠されることが多く、そのため、その種の食べ物はごく限られた地域や広くても一国に限定されるものである。ふなずし以外に、マレーシアが原産のドリアンや東京都新島などのくさやは、人による好き嫌いがはっきりする食べ物である。納豆もだいぶ変わってきてはいるが、西日本の人たちが敬遠し、東日本の人が好むという違いがある。しかし、その種の食べ物を好む地域の人にとっては、旅行に出たりして長期間それらを食べる機会がないと、無性に食べたくなるものである。 「近江の食調査」(2019年)で、5年後に残したい食材を150名に訊ねたところ、全員から「ふなずし」があげられ、県の伝統料理、郷土料理であることが証明された。

補足情報
*ニゴロブナ:琵琶湖の固有種で、古くから「ふなずし」の材料として利用されてきた。主にヨシ帯で春に産卵する。稚魚はヨシ帯で生育し、徐々に沖合へと移動する。生まれて2~3年で30cmに成長し、小糸網漁(刺し網)などで漁獲される。
*発酵食品:漁獲した産卵期のニゴロブナを塩漬け、飯(いい)漬けの2段階の熟成を行って漬け込む。手間がかかるぜいたく品なので、値段は高くなる。
*発酵食品:漁獲した産卵期のニゴロブナを塩漬け、飯(いい)漬けの2段階の熟成を行って漬け込む。手間がかかるぜいたく品なので、値段は高くなる。
関連リンク | 滋賀県(WEBサイト) |
---|---|
参考文献 |
滋賀県(WEBサイト) 滋賀のおいしいコレクション(滋賀県)(WEBサイト) 農林水産省うちの郷土料理(WEBサイト) 滋賀県(WEBサイト) 『地理女子が教える ご当地グルメの地理学』尾形希莉子、長谷川直子 ベレ出版 |
2025年04月現在
※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。