金剛輪寺こんごうりんじ

名神高速道路湖東三山スマートI.Cより約1分。西明寺(さいみょうじ)・百済寺(ひゃくさいじ)と並ぶ湖東三山の一つ。
 寺伝では、741(天平13)年、聖武天皇の命で行基が建立、848~851年(嘉祥年間)に円仁(慈覚大師)が天台の道場として中興した。織田信長の兵火の被害は少なく、湖東三山の中では寺宝がもっとも多く残っている。総門の近くに、愛荘町歴史文化博物館がある。
 総門から本堂へ続く長い参道は、両側がサツキの石段で、山岳城郭であったころの面影が濃い。参道の途中、左側には国指定の名勝庭園がある。桃山時代から江戸時代中期にかけてつくられた池泉鑑賞式庭園で、寄棟造りの茶室水雲閣も立つ。登りつめると二天門・本堂・三重塔がある。南参道入口には、大行社(たいぎょうしゃ)があり、山門の右手には草に埋もれて塔頭の常照庵(じょうしょうあん)が残る。 
 お釈迦様の誕生日の5月5日には、仏生会(ぶつしょうえ)花祭りが行われる。
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みどころ

本堂(天平大悲閣(てんぴょうだいひかく))は、1288(弘安11)年、元寇の役(蒙古襲来)の戦勝記念として、近江守護職の佐々木頼綱(ささきよりつな)が寄進した。7間四方、入母屋造、桧皮葺で鎌倉和様建築を今に伝えている。内部は内・外・後陣に分かれ、木造阿弥陀如来坐像など12体の重要文化財をはじめとして、多くの仏像が並んでいる。三重塔は、鎌倉時代の遺構で、別名待竜塔(たいりゅうとう)と呼ばれる。
 11月中旬から下旬には、全山でモミジやカエデが紅葉する。特に本堂周囲や庭園内の紅葉は、開祖行基作の本尊仏の縁起から「血染めのもみじ」と呼ばれ、深紅に染まる。
 名神高速道路の高架のすぐ西側にある大行社は、本堂の脇にあった境内社を移築したもの。1447(文安4)年建立の三間社流造の社殿は蟇股彫刻が精巧である。
関連リンク 湖東三山 金剛輪寺(WEBサイト)
参考文献 湖東三山 金剛輪寺(WEBサイト)
滋賀・びわ湖 観光情報(公益社団法人びわこビジターズビューロー)(WEBサイト)
滋賀県愛荘町(WEBサイト)
「滋賀県の歴史散歩」滋賀県歴史散歩編集委員会 山川出版社

2025年04月現在

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