櫟野寺
JR草津線油日駅の北東、油日神社の北にあり、「いちいの観音さん」の名で親しまれている。792(延暦11)年、最澄が比叡山根本中堂の用材を求めてこの地を訪れたとき、櫟(いちい)の木に十一面観音を彫刻し、これを本尊にして開いたのが始まりという。これ以後、この地方の中心的天台寺院として栄え、今なお藤原時代(894~1185)の仏像を多数所蔵する。
石灯籠と観音の石仏が並ぶ参道を進むと、白壁に挟まれた山門がある。ここには室町時代に作られた木造金剛力士像が安置されている。山門を進むと正面に本堂、その裏に1965(昭和40)年にできた宝物殿が立つ。旧本堂は1968(昭和43)年に火災で焼失、秘仏の本尊十一面観音坐像をはじめ20数体の仏像*は難を免れ、現在その宝物殿内に安置される。
櫟野寺では、櫟野寺保存会により1200余年の歴史を飾る奉納相撲*が伝統行事として継承されている。
石灯籠と観音の石仏が並ぶ参道を進むと、白壁に挟まれた山門がある。ここには室町時代に作られた木造金剛力士像が安置されている。山門を進むと正面に本堂、その裏に1965(昭和40)年にできた宝物殿が立つ。旧本堂は1968(昭和43)年に火災で焼失、秘仏の本尊十一面観音坐像をはじめ20数体の仏像*は難を免れ、現在その宝物殿内に安置される。
櫟野寺では、櫟野寺保存会により1200余年の歴史を飾る奉納相撲*が伝統行事として継承されている。

みどころ
仏像が魅力の寺院で、宝物殿には重要文化財の仏像が20躯、その他県・市指定文化財の仏像があるので、じっくりと各仏像を拝観してほしい。
10月18日の秋祭りのでは、千年以上の歴史ある奉納相撲が行われる。主役は小学生。土俵でたたかう元気な子どもたちに拍手を送ろう。
10月18日の秋祭りのでは、千年以上の歴史ある奉納相撲が行われる。主役は小学生。土俵でたたかう元気な子どもたちに拍手を送ろう。

補足情報
*木造十一面観音坐像:宝物殿の中央厨子内に安置する。県内最大で、像高3.12m。一本造、彩色像で頭上には化仏(けぶつ)、右手には念珠、左手には花瓶(けびよう)を持つ。素朴さが残るが荘厳である。藤原時代前期の作。秘仏。最澄が良材を求めて、この地にきたとき、イチイの生木に一刀三礼のもと、この像を彫刻し祀った。目鼻立ちがはっきりとした、金箔でおおわれた仏像である。
*木造毘沙門天立像:802(延暦2)年、征夷大将軍坂上田村麻呂は、櫟野寺の観音に戦勝を祈願し、鈴鹿峠の山賊を討伐した。その礼として、806(大同元)年、みずから等身大の像を彫り、本尊のかたわらに安置したのが木造毘沙門天立像。像高1.63m、甲冑に身を固め、右手に宝剣、左手に宝塔を掲げ、忿怒の形相をしている。
*薬師如来坐像:像高2.22m、厨子の右、寄木造の漆箔の像で、二重円光を背に八角七重の蓮華座の上に安置される。藤原時代後期の作と伝えられるが、葺蓮片(ふきれんぺん)の一部や両手先に補修がされている。
*聖観音立像:本尊を取り囲むように8躯が立ち並ぶ。その中でもっとも背の高い像高1.7mの聖観音立像は、ヒノキの一木造り、細身でやや腰をひねった姿が目を引く。
*奉納相撲:平安時代の初頭に、鈴鹿の山に凶賊(鬼)が住みつき、往来の人や近在の人々に危害を加えていた。桓武天皇は将軍坂上田村麻呂に討伐を命じたが、平定には苦戦を強いられた。将軍は当地の櫟野観音様に祈願され、そのお加護の力によって山賊を平定した。将軍は戦勝のお礼に再度訪れ、家来に命じ相撲を奉納された。以来、毎年絶えることなく今日まで続けられている。
*木造毘沙門天立像:802(延暦2)年、征夷大将軍坂上田村麻呂は、櫟野寺の観音に戦勝を祈願し、鈴鹿峠の山賊を討伐した。その礼として、806(大同元)年、みずから等身大の像を彫り、本尊のかたわらに安置したのが木造毘沙門天立像。像高1.63m、甲冑に身を固め、右手に宝剣、左手に宝塔を掲げ、忿怒の形相をしている。
*薬師如来坐像:像高2.22m、厨子の右、寄木造の漆箔の像で、二重円光を背に八角七重の蓮華座の上に安置される。藤原時代後期の作と伝えられるが、葺蓮片(ふきれんぺん)の一部や両手先に補修がされている。
*聖観音立像:本尊を取り囲むように8躯が立ち並ぶ。その中でもっとも背の高い像高1.7mの聖観音立像は、ヒノキの一木造り、細身でやや腰をひねった姿が目を引く。
*奉納相撲:平安時代の初頭に、鈴鹿の山に凶賊(鬼)が住みつき、往来の人や近在の人々に危害を加えていた。桓武天皇は将軍坂上田村麻呂に討伐を命じたが、平定には苦戦を強いられた。将軍は当地の櫟野観音様に祈願され、そのお加護の力によって山賊を平定した。将軍は戦勝のお礼に再度訪れ、家来に命じ相撲を奉納された。以来、毎年絶えることなく今日まで続けられている。
関連リンク | 櫟野寺(WEBサイト) |
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参考文献 |
櫟野寺(WEBサイト) 甲賀市観光ガイド(一般社団法人甲賀市観光まちづくり協会)(WEBサイト) 『滋賀県の歴史散歩 上』滋賀県歴史散歩編集委員会 山川出版社 |
2025年04月現在
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