針江生水の郷はりえしょうずのさと

針江集落はJR湖西線新旭駅からやや北東、徒歩15分ほどのところにある。安曇川下流の扇状地左岸に位置し、中央に針江大川が流れる。
 集落全体の面積150万m2 、約150戸のうち、110戸余りで10~20m前後に打ち込んだ鉄管から水が湧き出ている。水脈のうえに集落があるので、水が出る箇所が多くあり、針江では地域のきれいな湧水のことを生水(しょうず)と呼んでいる。
 集落内には川端(かばた)が家の中と外にある。川端とは、自噴する水を飲料や炊事といった日常生活に利用するシステムをいう。川端は、地下から水が湧き出す元池、元池から取水した水をためておく壺池、あふれ出た水を溜めておき外からの水路に繋がる端池の3つからなる。壺池では野菜をつけておいたり、端池では野菜を洗ったりする。
 針江集落は、昭和40年代(1965~74年)までステテコをつくる工場が多かったが、2004(平成16)年にNHKでテレビ放映されてから「生水の郷」として人気が出て、訪れる人が増えてきた。そのためここを訪れるときは事前予約をして、当日はガイドの案内で集落の中を歩いて見学する。
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みどころ

針江の生水が知れわたるにつれ、車でおとずれ、民家の川端などを覗く人がふえてきたので、1日2回、事前予約した人を生水の郷委員会スタッフが案内する有償のボランティアガイドツアーをスタートさせた。見学料は、生水の郷委員会の運営や地域の環境維持活動に活用される。
 地元の子どもたちは、川で発砲スチールを使って水遊びや魚取りやゴムボート遊びをしている。6月から9月には川に梅花藻の花が咲き、ゲンジボタルが舞う。
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補足情報

*端池や水路には鯉などが飼われているが、今は食用ではなく堀や端池の掃除屋さんでもあり、ペットとしても親しまれている。水の温度が14度では鯉には冷たすぎるので、上流からの水を端池に入れ込んで、鯉が過ごしやすい環境にしている。