阿賀神社あがじんじゃ

箕作山(みつくりやま)の南に岩肌を見せてそびえ立つ赤神山(あかがみやま)(標高350m)の中腹にあり、地元では太郎坊宮(たろうぼうぐう)の名で知られる。
 社伝によれば、7世紀前期に赤神山に霊威を感じた聖徳太子が神祀りをしたことに始まり、799(延暦18)年には最澄が50余の社殿を山中に建立したという。源義経が参詣したという伝説も残り、境内には「義経公腰掛岩」などが現存する。
 この山で修業をした多くの修験者・行者の姿は、この地を守る「太郎坊天狗*」と一体化して語り継がれ、いつしか太郎坊天狗が守る神社、太郎坊の宮と唱えられ、やがて太郎坊宮という名称が定着したともいわれる。
 近江鉄道八日市線太郎坊駅から参道が山裾まで続き、そこから約740段の石段が本殿までのびている。中腹までは自動車で行くこともできる。中腹の駐車場から参集殿、拝殿、夫婦岩を経て本殿(駐車場から約260段)に着く道を表参道、本殿から一願成就社を経て中腹の駐車場に戻る道を裏参道という。本殿手前には夫婦岩をはじめとした巨岩・奇石がある。
 例年、7月24日には、この日に参拝すると千日間の日参に値するという「千日大祭」が、12月第1日曜日には神道護摩の「お火焚(ひたき)大祭」が行われる。
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みどころ

険しい山の中腹にあり、パワースポットとして知られている。有名スポーツ選手や芸能人も参拝するなど、「勝利と幸福を授ける神様」として信仰されている。
 境内にそびえ立つ「夫婦岩(めおといわ)」は壮大で、太郎坊宮の神様の力で押し開かれたという高さ20mに迫る大岩の間に幅80cmの間道が通り、「善良な人が通れば願いが叶い、悪心ある人が通れば挟まれる」との言い伝えが残る。学術的には湖東流紋岩と呼ばれる。
 急な石段を登って一番上の本殿に着くと、万葉集にも詠まれた蒲生野を一望できる。
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補足情報

*太郎坊天狗:京都鞍馬山の天狗は太郎坊の令弟次郎坊であるともいう。
関連リンク 太郎坊宮(WEBサイト)
参考文献 太郎坊宮(WEBサイト)
滋賀・びわ湖 観光情報(公益社団法人びわこビジターズビューロー)(WEBサイト)びわこ
東近江市(WEBサイト)
「滋賀県の歴史散歩」 滋賀県歴史散歩編集委員会 山川出版社

2025年04月現在

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