猿田彦神社さるたひこじんじゃ

JR・近鉄「伊勢市駅」から三重交通バスに乗り「猿田彦神社前」下車。祭神の猿田彦大神は、ものごとの最初に出現し、万事最も良い方へ“おみちびき”になる大神で、古事記・日本書紀などに「国初のみぎり天孫をこの国土に御啓行(みちひらき)になられた」と伝えられている。
 天孫降臨を啓行(みちひらき)した猿田彦大神は、高千穂に瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を案内した後、天宇受売命(あめのうずめのみこと)と一緒に本拠地である「伊勢の狭長田(さながた)五十鈴の川上」の地に戻り、この地をはじめ全国の開拓にあたった。
 その後、神宮第一の古典『皇大神宮儀式帳』等にあるように、宇治土公(うじのつちぎみ)宮司家の祖先で猿田彦大神の裔である大田命が、倭姫命の巡幸に際して、猿田彦大神が聖地として開拓した五十鈴の川上の地を勧め、そこに皇大神宮(内宮)が造営された。
 猿田彦大神の子孫である宇治土公家が代々宮司を務める神社であり、同家は神宮において代々「玉串大内人(たまぐしおおうちんど)」という特別な職に任ぜられ、式年遷宮で心御柱と御船代を造り奉るなど、重要な役割を果たしてきた。
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みどころ

本殿はさだひこ造りという特殊な妻入造をしており、神明造の伊勢神宮とは違った雰囲気を醸し出している。
 境内にある佐瑠女神社(さるめじんじゃ)には、俳優・神楽・技芸・鎮魂の祖神と仰がれる天宇受売命が祀られている。そのため、芸能・スポーツ関係をはじめ、技芸の上達を祈る参拝者が多く、いわば芸事の神様というユニークな神社となっている。