椿大神社つばきおおかみやしろ

近鉄四日市駅またはJR四日市駅よりバスで約1時間。伊勢平野を見下ろす鈴鹿山系ノ中央に位置する入道ガ岳の山裾にある。2,000社に及ぶ猿田彦大神(さるたひこのおおみかみ)*を祀る神社の総本宮と言われ、式内社、伊勢国一ノ宮、現在は神社本庁の別表神社となっている。三重県内では伊勢神宮、二見興玉神社に次いで3番目に参拝者数の多い神社である。
 交通安全の祈祷所である獅子堂横から、杉の巨木がうっそうと茂る参道がつづき、左手に高山土公神陵(猿田彦大神陵)、右手に別宮椿岸神社、その奥に松下幸之助氏寄贈の茶室、そして正面に拝殿、その奥に伊勢神宮と同じ神明造の本殿がある。さらに標高906.1m、入道ヶ嶽の山頂には奥の宮が鎮座している。
 伝統行事である獅子舞神事の起源は約1300年前とされる。干支に丑、辰、未、戌の付く年を舞年と定め、この3年毎に伝えられてきた日本最古の獅子舞。三重県指定無形民俗文化財に登録されている。
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みどころ

三重県では南を「伊勢神宮」、北を「椿大神社」で守られているともいわれ、「伊勢神宮」に次ぐパワースポットとして人気の場所が椿大神社である。地元では“椿さん”と呼ばれ親しまれており、主神は「猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)」。猿田彦大神は、天孫降臨の際に天皇家の祖とされる瓊々杵尊(ににぎのみこと)を高千穂へ導いた神さまで「みちびきの神」とされている。
 「椿大神社」の別宮である「椿岸神社(つばききしじんじゃ)」は、猿田彦大神の妻神である「天之鈿女命(あめのうずめのみこと)」が主祭神として祀られており、縁結び、芸能上達、夫婦円満などの神様と言われ、全国にある天之鈿女命の総本宮ともなっている。
 道を切り開く猿田彦は「みちびきの神さま」、その妻神天之鈿女命は「芸能の神さま」として仕事や習い事、芸の道を志す人々、将来の夢や目標等に向かって努力して頑張る人を応援してくれる神社として知られ、また、恋愛成就と結婚運アップに効き目があるという縁結びスポットとして多くの女性が集まるパワースポット、いわば聖地と言われている。
 境内には具体的なご利益の仕掛けとして「招福の玉」(この玉を撫でながら「祓へ給え、清め給へ、六根清浄」を3度唱えると願いが叶うと言われている)や「かなえ滝」(この「かなえ滝」をスマホ等の待ち受け画面にすると、開運成就、恋愛成就の願いが叶うと言われている)、さらに「かなえ滝」の奥に、万病に効くとされる薬水が湧く「金龍明神滝」(きんりゅうみょうじんだき)(そこから流れる「かなえ滝」の神水を飲むと良いとも言われている)などがある。また、さらに有名なのは、恋愛成就の「椿恋みくじ」*で、おみくじの中には全部で4種類のお守りが入っており、真っ赤な椿がモチーフの可愛らしいお守りを目当てに来る参拝客も多い。そして、手塚プロダクションとコラボした御朱印帳が「火の鳥バージョン」として人気となっている。なお、椿大神社には1986(昭和61)年に創建されたアメリカ椿大神社がある。
 こうした椿大神社の歴史や由緒を上手く活かした現代的な取り組みによって多くの参拝客を集めていることは一つのみどころと言えよう。
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補足情報

*猿田彦大神:天孫ニニギノミコトが降臨する際、天の八衢(やちまた)に「道別(ちわき)」の神として迎え、高千穂まで案内した神。風貌は鼻が非常に高く、目が真赤であったという。
*恋みくじ:これを引くために全国から参拝客が来る。巫女さんのお守りが出ると1年以内に結婚出来るといわれ、実際、神前挙式である「椿婚」が行われている。