おはらい町・おかげ横丁おはらいまち・おかげよこちょう

近鉄・JR「伊勢市駅」または近鉄「宇治山田駅」から内宮前行バスで約20分。内宮前のいわゆる門前町である。宇治橋から五十鈴川に沿って続く南北約800mの美しく整備された石畳がおはらい町通りである。切妻造、妻入りの風情ある歴史的な建物が並び、通りの両脇に土産物店や味処などが軒を連ねている。かつては日本全国の庶民のあこがれの地であり、御師(おんし)と呼ばれる人々の館が立ち並び、参拝客をもてなしたことから「おはらい町」と呼ばれるようになったといわれている。
 このおはらい町の中央一角におかげ横丁がある。老舗和菓子店・赤福本店の前、約4,000坪の敷地に約50軒の店が並んでいる。1993(平成5)年、第61回式年遷宮のときに開業した。江戸時代から明治にかけての伊勢路を代表する建築物を移築・再現され、県内の著名店が店を構えている。
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みどころ

観光地における駐車場配置計画は重要である。モータリゼーションが進展する以前からの歴史的な観光地では特に深刻な影響を及ぼすことがある。ここ内宮でも宇治橋近くに大駐車場を整備したことから、バスや自動車で来る参拝客は、おはらい町を通らずに直接内宮へと向かうようになった。その結果、おはらい町を歩く人が減少し、通りは寂れていく一方となってしまった。
 おはらい町再生を期して1979(昭和54)年、地元老舗企業「赤福」や地元有志を中心に「内宮門前町再開発委員会」を創設、電線の地中化や路面の石畳化などを進めた。また1993(平成5)年の式年遷宮に合せて「おかげ横丁」を整備。昨今のパワースポットブームなども相まって参拝客は増加。駐車場がおはらい町通り入口などにも整備され、そこから歩く人や訪日外国人も増加し、かつての賑わいを取り戻している。2013(平成25)年の式年遷宮を契機として店舗数も増加している。