伊勢大神楽いせだいかぐら

江戸時代より、伊勢神宮に参拝できない人のため全国各地を巡って大神楽を奉納したり、代理参拝の神札を配る桑名市太夫村を本拠地とする伝統芸能である。1年を掛け全国を巡業しているが、12月24日の「増田神社総舞(そうまい)」では本拠である増田神社での奉納のため旅から全社中が帰還する。総舞では八つの舞(獅子舞)と八つの曲(放下芸)から成り立つ全16演目が奉納される。1981(昭和56)年、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
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みどころ

国指定重要無形民俗文化財に指定される伊勢大神楽講社の社中は、かつては12社中が確認されたが、現在では山本勘太夫・加藤菊太夫・山本源太夫・森本忠大夫・石川源太夫の5社中が活動している。八舞八曲を修めた大神楽における最上位の太夫が2名在籍する山本勘太夫社中や、増田神社の祭主を務め当代で23代を数える宗家の山本源太夫社中など、社中ごとに色合いが異なる。
 毎年12月24日に行われる「総舞(そうまい)」では、普段は全国を巡行している全社中が一堂に会し合同で奉納を行う稀少な行事となっている。
 増田神社は、かつて伊勢神宮内宮御師と大神楽の太夫たちが共に年の瀬に祭儀を行い、太夫らをお伊勢の代理参拝人である伊勢"代"神楽として成立させるために重要な役割を果たしてきた歴史の要所である。