六華苑ろっかえん

桑名駅より徒歩20分。山林王として知られた三重県桑名の実業家・二代諸戸清六の邸宅として1913(大正2)年に完成した。鹿鳴館や旧古河庭園(東京)の洋館も設計したイギリス人建築家ジョサイア・コンドルの設計による4層の塔屋をもつ木造2階建て天然スレート葺きの洋館、さらに和館や蔵、池泉回遊式庭園などから構成されている。
 桑名市が1991(平成3) 年に諸戸家から土地・建物を取得し、整備した後、1993(平成5) 年に「六華苑」という名称で一般公開した。和洋の様式が調和した明治・大正期を代表する貴重な文化遺産として洋館及び和館が1997(平成9)年に国の重要文化財に指定され、庭園は2001(平成13)年に国の名勝に指定されている。
 七里の渡跡*が近隣にあり、国営木曽三川公園桑名七里の渡し公園が六華苑と繋ぐ形となっている。
#

みどころ

みどころは、鹿鳴館やニコライ堂などを手掛け、「日本近代建築の父」とも呼ばれたイギリス人建築家 ジョサイア・コンドルが設計した地方に唯一現存する洋館建築であることであり、わが国の住宅建築史上からも注目されている。コンドルは25歳でイギリスから来日し、67歳で没するまで70 近くの建築作品を設計したが、その大半は東京と神奈川県内に集中し、関東大震災や戦災等により現存する作品は非常に少なくなっている。
 現在、六華苑は桑名市が施設を所有し、委託管理による運営を行っているが、抹茶とお菓子が楽しめるカフェの運営や歴史案内人によるボランティアガイド、長唄や煎茶、オカリナ、絵てがみなど各種講座を開催するなど多彩な運営を行っており、ソフト面の充実は特筆に値する。
#

補足情報

*七里の渡跡:六華苑から七里の渡しの一帯は、はまぐり料理が楽しめる料亭なども立地し、半日楽しめる空間となっている。
関連リンク 六華苑(WEBサイト)
参考文献 六華苑(WEBサイト)
桑名市観光サイト(桑名市及び観光協会)(WEBサイト)

2024年08月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。