御城番屋敷ごじょうばんやしき

JR・近鉄松阪駅より徒歩約15分。御城番屋敷は、現存する江戸時代の武家長屋の中で、最大規模とも言われる貴重なもの。2004(平成16)年、国の重要文化財に指定された。松坂城の裏門跡と搦手門(竹御門)跡を結ぶ石畳の両側に、美しく整えられた槇垣を巡らした御城番屋敷は、松坂城を警護する「松坂御城番」という役職の武士20人とその家族が住んだ武士の組屋敷である。
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みどころ

みどころと言えば、槙垣と石畳が織りなす景観であろう。石畳の両側には手入れされた垣根や庭木が続き、風情を感じられる空間になっている。松坂城跡の方面に向かって歩くと、お城の石垣を見渡すことができ、江戸時代にタイムスリップしたような感覚に浸ることができる。明治維新後に、士族授産で得た資産を元手に住民士族(旧紀州藩士の子孫による団体)が「苗秀社(びょうしゅうしゃ)」を設立して建物の維持管理にあたってきたのである。
 現存する19戸のなかには、現在も借家として使用されている家もある。内1戸を1990(平成2)年から松阪市が借用して内部を創建当時の姿に復元、苗秀社に運営を委託して一般公開している。