ミキモト真珠島みきもとしんじゅしま

JR・近鉄鳥羽駅より徒歩約5分。1893(明治26)年に御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖に成功した島(相島)である。1939(昭和4)年に見学用設備を整え、内外から多くの人たちを迎え入れようという試みをスタートさせたが、戦時中は軍に接収され、終戦後は荒れ果てた状態にあった。それを幸吉は、再整備を進め、1951(昭和26)年に一般公開し、「観光・産業・教育」を一体化させた世界にも類を見ない観光施設・ミキモト真珠島を開業させた。約70年の歴史の中で英国女王エリザベス2世をはじめ世界の著名人が来訪し、国際観光文化都市・鳥羽の民間外交施設としての機能も果たしている。
 島内は、御木本幸吉記念館のほか、真珠博物館、パールプラザ、海女スタンド、野鳥の森などの施設から構成されている。
 「MIKIMOTO」は、真珠の販売で世界一のシェアを誇っているジュエリーの世界的ブランドである。
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みどころ

海女の潜水作業の実演があるのは、かつて真珠養殖に海女はなくてはならない存在であったからである。海底に潜ってアコヤ貝を採取し、核入れした貝を再び海底へ運ぶ作業を海女が担っていた。また赤潮の来襲や台風のときなどは、貝を安全な場所に移すなどの作業も海女の活躍によってであった。既に養殖技術の発展により、海女の必要性はなくなったが、開島以来70年以上にわたって実演が行われているのは、そうした歴史を忘れないためでもある。なお、昔ながらの白い磯着の海女が見られるのは今では真珠島だけとなっている。