一宮のモーニングいちのみやのもーにんぐ

モーニング発祥の地とされる一宮の街で多く見かける喫茶店。朝の時間帯はドリンク代のみでトーストやゆで卵、サラダなどが付く「モーニングサービス」がある。その起源はガチャマン景気*に沸いた昭和30年代前半(1955~1959年)、「はたや」さんが商談を重ね、頻繁に喫茶店を訪れていた。そこで人の好いマスターが朝のサービスとして、コーヒーにゆで卵とピーナッツを付けたのがはじまりである。半世紀経った今でも休日の朝には家族揃って喫茶店へ行く光景が多く見られ、それらは文化として今なお残っている。
 市内には喫茶店が520店舗(平成28年経済センサス)ある。市民の年間平均喫茶代は、データのある政令都市・県庁所在都市の中では、名古屋市、岐阜市などが首位を争っているが、中間に位置する一宮市はそれに並ぶほどの消費額ではないかと推計される。
 一宮市の日常である喫茶文化「モーニングサービス」を地域資源と位置づけ、当地の知名度向上・経済活力向上を目的に、平成21年に一宮商工会議所(会頭・豊島 半七)を中心に、「一宮モーニング協議会」を設立。同協議会は、地元の商工業者、行政関係者、農業・畜産関係者、教育関係者などから構成され、地域一体となって「一宮モーニング」の普及啓発の取組み*を進め、全国に発信している。
 平成28年2月には「一宮モーニング」が地域団体商標の認定を受け、それ以降も継続的な取り組みが評価され、令和5年4月には知財功労賞(特許庁長官表彰)を受賞した。全国515の商工会議所の中では初めての受賞である。
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みどころ

ある店のメニューである。日替わりモーニングとバタートーストの選択がある。日替わりモーニングには、エッグトースト、ポテトチーズトースト、ピザトースト、ハムサンド、ポテトサンド、ツナトースト、ツナサンドがある。バタートーストでは、小倉、イチゴジャム、マーマレード、シナモンシュガー、メープルから選択する。小倉トーストに象徴されるように、愛知県には、あずき文化がある。スーパーやコンビニに、あずきの缶詰があり、家庭でもふいのお客が来た時でも、いつでも対応できるように、あずきの缶詰を保存している。「モーニング」には、その日の最初の食事を、各種メニューから選べる楽しみ、栄養価も配慮されている喜びがある。
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補足情報

*ガチャマン景気:1950(昭和25)年ころからの繊維産業の好況なとき、織機をガチャンと織れば、万の金が儲かるという意味。
*普及啓発の取り組み:一宮モーニング協議会に加盟する喫茶店を紹介する一宮モーニングマップの無料配布(96店舗)、市内中心部で一宮モーニングを販売するイベント、若年層への喫茶店に誘客する仕掛けとしてInstagramを活用した「モースタグランプリ」の開催など様々なイベントを行っている。
関連リンク 一宮モーニング(一宮モーニング協議会)(WEBサイト)
参考文献 一宮モーニング(一宮モーニング協議会)(WEBサイト)
愛知県の公式観光ガイドAichiNow(WEBサイト)
『一宮モーニングマップ』一宮モーニング協議会

2024年05月現在

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