豊田市美術館とよたしびじゅつかん

名鉄豊田市駅から南に400m進み、国道153号線を西上した拳母(ころも)台地上の童子山と称される独立丘陵に拳母城跡があり、その本丸部分に1995(平成7)年に開館したのが豊田市美術館である。美術館正面わきにある復元された二重櫓がその面影を伝える。
 美術館は、一人ひとりの鑑賞者が作品と対話し、それぞれの作品との関係を結ぶ場となることを目指して、展示や教育普及活動を行ってきたという。館の設計は谷口吉生、庭園はアメリカのランドスケープ・デザイナーのピーター・ウォーカーによるもので、作品の鑑賞だけではなく、建築と庭園を含めた美術館全体を楽しんでほしいと希望する。
 美術館は3階建てで、展示室は8室。国内外の近代美術、近代のデザイン・工芸、現代美術を収蔵し展示する。高名な漆芸作家髙橋節郎の作品を収蔵する髙橋節郎館*を併設する。
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みどころ

とにかく建築と庭園がすばらしい。クルマを置いて、美術館の入り口から入ると、館内までの長いアプローチにより車の喧騒から逃れることができる。目の前には円形の池が水をたたえ、風にゆらいでいる。左手には車いすも利用できる緩やかで美しいスロープが2階に伸びている、その間に白色の美術館が横に直方体でどっしりと迎える。
 中に入ると、展示室は、部屋ごとに空間の広がりや使われている材質が異なり、それぞれが違った印象を与える。2階のテラスには緑の樹木を背景に大池と、赤、黄、青のカラフルな板と鏡を組み合わせたダニエル・ビュレンの作品がオブジェとして並んでいる。鏡に反射した風景が不思議なコントラストを生み出す。館の西側にある茶室童子苑も谷口吉生の設計である。
 所蔵する作品で展示、公開する人気画家としては、クリムト、マグリット、岸田劉生、藤田嗣治、菱田春草、草間彌生などがあげられる。
 レストラン「ル・ミュゼ(味遊是)」は名古屋市栄にあるミシュランの一つ星レストランの経営で、喫茶や食事を楽しむことができる。
テラスやレストランからの市街地の眺望もすばらしい。
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補足情報

*髙橋節郎館は2024年1月~2025年1月17日まで改修工事のため休館となっている。
関連リンク 豊田市美術館(WEBサイト)
参考文献 豊田市美術館(WEBサイト)
『豊田市美術館フロアマップ』
あいち観光ナビ(一般社団法人愛知県観光協会)(WEBサイト)
『建築・コレクション』パンフレット

2024年05月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。