なごやめしなごやめし

なごやめしとは、グルメ激戦区として知られる名古屋市の名物料理を指す造語である。全てが名古屋発祥の料理というわけではない。全国的に知られ、豆味噌(赤味噌)ベースの料理が自然発生的に生まれた。
 1973(昭和48)年、屋台街の営業が禁止され、2000(平成12)年代まで名古屋の食文化は停滞する。2001(平成13)年ころ、名古屋の外食企業のZettonが東京へ進出した時に、イタメシをまねてなごやめしと呼ぶことにした。そののち、続いて名古屋の食企業が東京へ進出した時もなごやめしを使用し、なごやめしは東京を中心に広まった。2005(平成17)年の愛知万博で名古屋市に活気が出たことで来訪者も増え、全国的になごやめしが知られるようになった。
 どこまでをなごやめしに入れるかはさまざまであるが、ひつまぶし*、味噌煮込みうどん*、味噌カツ、どて煮込み、きしめん*、手羽先、天むす、あんかけスパ、名古屋発祥の台湾ラーメン、台湾まぜそばなどが、よく知られている。
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みどころ

なごやめしの名称が東京で広まって、名古屋でも受け入れられるようになった。名古屋を訪れたときには、朝食を「モーニング」にして、昼食と夕食もなごやめしで統一すれば、滞在の初日から地元名古屋の人になったような気分を味わえる。
 新幹線のホームにきしめんの店があり、手軽でおいしいと人気がある。一方で、芯が固い味噌煮込みうどんを初めて食べた旅行者から、「生煮えでは」、「芯が残っている」と戸惑うような感想が出ることもある。
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補足情報

*ひつまぶし:大きなおひつでごはんの上にうなぎをまぶす(まぜる)が名前の由来というが諸説あり。細かく刻んだうなぎのかば焼きを、1杯目はそのまま食べる。2杯目から海苔やワサビの薬味をのせて、3杯目は、お茶や出し汁でお茶漬けのようにして食べるのが一般的。名古屋の蒲焼は関西流で、腹開きにして、頭は残したまま身を切らずに、蒸さずにたれ焼きをする。
*味噌煮込みうどん:旨味の強い八丁味噌などの豆味噌を使用するので、煮込んだ際に風味が落ちにくい。汁も鰹節からとっているので、風味の濃い汁を特徴とする。塩水ではなく真水で打った煮込み専用の麺を使う。ある老舗店では、八丁味噌に、鰹節、椎茸、昆布のだしを加える。名古屋コーチン、エノキダケ、蒲鉾、海苔、卵、油揚げ、長ネギ入り親子煮込みとなる。一般的なうどんのもちもちしたコシとは異なり、独特の嚙み応えのある固さで煮込んで提供する。一人用土鍋を使用して、土鍋の蓋にうどんや汁をよそい、冷ましながら食べるのが名古屋スタイル。
*きしめん:名前の由来は諸説あり、キジの肉の入った麺類「きじめん」が変化した、紀州から尾張の殿様がお土産でもらった紀州麺が後にきしめんと呼ばれるようになった、などさまざま。きしめんが最初に出てくるのは、南北朝後期から、室町初期にかけて成立したといわれる『庭訓往来』である。なぜ平たい麺なのかも諸説あり、名古屋城築城の際、手早く調理できるよう麺を薄くしたとも伝えられ、江戸時代から食されていたといわれる。江戸や武蔵の国では、「ひもかわ」という。いずれにせよ、やや濃いめのカツオの出汁に、ホウレンソウ、油揚げ、たっぷりとかつおぶしを乗せるのは基本形。この基本形ができたのは、江戸時代末期頃といわれる。
関連リンク NAGOYA CONCIERGE(公益財団法人名古屋観光コンベンションビューロー)(WEBサイト)
参考文献 NAGOYA CONCIERGE(公益財団法人名古屋観光コンベンションビューロー)(WEBサイト)
愛知グルメ図鑑(愛知県産業労働部 観光コンベンション課)(WEBサイト)
なごやめし(なごやめし普及促進協議会)(WEBサイト)
『うどん好き百科』サライ編集部 小学館 1998年
『日本のめん食文化の一三〇〇年』奥村彪生 農山漁村文化協会 2009年

2024年05月現在

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