常滑やきもの散歩道とこなめやきものさんぽみち

常滑にはレンガ造りの四角い大きな煙突が無数に立ち並んでいる。軒を並べる窯場、路地や空地に高く積まれた土管や甕が、“やきもののまち”を印象づけている。毎年10月には「常滑焼まつり」が開催される。
 常滑は古くから“やきもののまち”として知られ、日本六古窯の中でも最も歴史が古く、その規模も最大だった。知多半島の丘陵地は、粘りのある良質な陶土が豊富で、平安時代末期から本格的な窯業生産が始まった。丘陵地には1万基をこえる穴窯が築かれ、碗・皿・甕・壺などが焼かれた。室町時代になると、穴窯から大窯への転換が進み、大型の甕や鉢などが製品化されてくると、窯も現在の常滑市の市街地周辺に集中し、江戸時代になると大型の甕や茶器や酒器類などの生産も始まった。今日の常滑焼を代表する朱泥の急須は幕末から明治にかけて中国から技法が伝えられ、大きな発展を遂げた。また登窯の導入により、明治以降は土管も大量に生産された。
 近年では、急須など伝統的な常滑焼のほかに、タイルやセラミックスなど新しい商品の生産も行われている。
 名鉄常滑駅前では「フューチャードリーム」と呼ばれるモニュメントが出迎え、約500m、5分で常滑市陶磁器会館に行くことができる。ここがやきもの散歩道コースAとBの出発点となり、会館では現代の常滑焼陶芸家の作品が展示販売されている。Aコースでは、江戸時代以降、焼き物生産の中心がこの丘陵上に集まっていたため、“やきもののまち”の雰囲気を感じることができる。狭く曲がりくねった路地が多く、土留めに土管を使用した土管坂、焼酎瓶などを利用した塀、展示工房館、国の重要有形民俗文化財に指定されている登窯を見ることができる。Bコースは、とこなめ陶の森 資料館・陶芸研究所、INAXライブミュージアムの窯のある広場・資料館、世界のタイル博物館等を訪れるコースになっている。なお、やや離れたとこなめセラモール(とこなめ焼卸売団地)には、焼き物と関連する多くの企業が集まって、製品を販売している。
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みどころ

常滑市に初めて訪れる人には、“やきもののまち”の雰囲気が残るAコースから見ることを勧める。狭く曲がりくねった路地の風情を楽しみつつ歩く散策路となっているため、車の場合は、常滑市陶磁器会館をはじめとした、近隣の駐車場に停めて散策するのが良い。
関連リンク とこなめ観光ナビ(一般社団法人とこなめ観光協会)(WEBサイト)
参考文献 とこなめ観光ナビ(一般社団法人とこなめ観光協会)(WEBサイト)
観どころ、寄りどころ とこなめ散歩(とこなめ観光協会)(WEBサイト)
とこなめ焼協同組合(WEBサイト)
『とこなめ探訪』パンフレット
『愛知県の歴史散歩 上』愛知県高等学校郷土史研究会=編 山川出版社

2024年08月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。