田縣神社たがたじんじゃ

名鉄小牧線田県神社前駅から徒歩5分にある、延喜式内社にみえる古社で、五穀豊穣、子孫繁栄、開拓の祖神として崇められている。
 特に807(大同2)年に編纂された古典『古語拾遺ー御歳神の条』の故事*に基づいて男茎形を奉納し祈願する俗習があり、「産むは生む」に通じて、恋愛、子宝、安産、縁結び、夫婦円満、商売繁盛、厄除開運、諸病の平癒の守護神として全国の崇敬者から注目されている神社である。そのため、男性のシンボルを奉納する俗習がむかしから伝わり、拝殿や奥宮にも飾られており、境内のいたるところに寄進の男茎形がみられる。
 3月15日の豊年祭*は、木造の巨大な男性のシンボルの御輿が登場する天下の奇祭としてひろく知られている。
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みどころ

田縣神社の豊年祭は奇祭で知られているが、祭り当日でなくても田縣神社を訪れれば、神社境内至る所で寄進の男茎形がみられる。拝殿の内部で神妙にお祓いを受けているときでも、眼前に巨大な男茎形が鎮座している。奥宮も同じである。
 七五三のお祝いも田縣神社で行われているが、こうした風景の中に子供たちをみると、ほほえましく感じる。
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補足情報

*故事:稲の害虫を防ぎ豊穣をもたらすための手段として、男茎形を作り、水口に置き、稲田の神である御歳神(みとしのかみ)の心を慰めた。
*豊年祭:毎年3月15日に執り行われる天下の珍祭。樹齢300年の木曽ヒノキを材料にして毎年作られる直径60cm、長さ2m余の大男茎形を神社まで担ぎ、五穀豊穣、万物育成、子孫繁栄を祈願する。御旅所は、田縣神社の北側にある神明社と東側の熊野社から1年交替で、男性のシンボルをかたどった大男茎形を乗せた御輿を厄年の男性がかついで田縣神社まで練り歩く。変わった祭りをみようと、海外からの観光客も多くなっている。