瀧山寺たきさんじ

名鉄名古屋本線東岡崎駅からバス25分。686(朱鳥元)年天武天皇の勅願により建立されたと伝わる古刹。源頼朝の帰依厚く、建久年間(1190~1199年)に寺領四百石が寄進された。保安年間(1120~1124年)に比叡山の僧・仏泉上人永救が再興。徳川家ほか数々の中央権力に密接な檀家からの信仰と擁護により栄える。
 バス停のかたわらの朱もあざやかな三門は、大きく張り出した屋根が力強く、壮大な美しさがある。1267(文永4)年に建立され、1973(昭和48)年に修復された。三間一戸、柿葺の入母屋造からなる純和風の楼門。東へ500m進み石段を登っていくと本堂に至る。美しい檜皮葺の寄棟造で、正面・側面ともに5間。寺伝によると、1222(貞応元)年に建立、1254(建長6)年に修復とあるが、建立時期はこれより後とも指摘されている。
 東に隣接して瀧山東照宮*があり、本堂の裏手には日吉山王社がある。毎年、旧暦の正月7日に近い土曜日に、火祭りで知られる鬼祭り*が本堂を中心に繰り広げられる。
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みどころ

堂々たる山門、檜皮葺きの美しい本堂、隣接して東照宮は好対照に朱塗りの建物、それぞれが美しい。
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補足情報

*瀧山東照宮:1646 (正保3)年、「祖父家康生誕の地に権現様を勧請したい」とする家光の命により、家康の信仰の篤い瀧山寺の東側に建立。極彩色が目を引く建物は、瀧山寺とともに、多数の重要文化財がある。
*鬼祭り:祭りは源頼朝の祈願で始まったといわれ、瀧山東照宮を建立した徳川家光以降、幕府の行事として盛大に行われるようになったという。午後3時頃仁王門より十二人衆や住職らの出発に始まり、仏前法要、鬼塚供養、庭祭りとすすみ、境内が夜の闇に包まれると、有名な火祭りが始まる。暗闇のなか、2mほどもある松明を振りかざしながら三鬼を追う白襦袢の男たち、回縁を数度移動する、その途中で鬼たちは松明と鉞(えつ)を鏡餅に持ち替えて逃げ回る。拍子木が打たれると、すべてが終わる。ここの鬼は邪鬼を払う鬼神である。
関連リンク 瀧山寺(WEBサイト)
参考文献 瀧山寺(WEBサイト)
文化財ナビ愛知(愛知県)(WEBサイト)
岡崎おでかけナビ(WEBサイト)
岡崎市(WEBサイト)
『愛知県の歴史散歩 下』愛知県高等学校郷土史研究会=編 山川出版社

2024年06月現在

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