尾張大國霊神社(国府宮)
名鉄名古屋本線国府宮(こうのみや)駅の北東300mのところにある。国指定重要文化財の楼門*が、広い参道の奥にどっしりと構える。境内には本殿、渡殿、祭文殿が東西回廊で結ばれる。拝殿*も国指定重要文化財の指定を受けている。別宮や末社など多数鎮座し、総社としての風格を備えている。背後の社叢林も美しい。神社は崇神天皇の時代(紀元前)の鎮座と伝えられ、のちの10世紀はじめの「延喜式」神名帳にその名がみえる。主神である国土(くにつち)の神、尾張大國霊神・大御霊神とともに、海神として名高い宗像三女神が祀られていることから、三宅川を利用して伊勢湾に至る水路の安全を守る神であったと考えられる。古くから厄除けの神として、さらに農業の神をも祀り、尾張総鎮守として豊臣・徳川家をはじめ広く民衆の信仰を集めた。隣接する松下町一帯が尾張の国府の所在地であったと考えられることから、通称国府宮または尾張総社と呼ばれた。旧暦1月13日に行われる神事「はだか祭」は有名。
みどころ
尾張式の建物配置で、楼門から拝殿・本殿までほぼ一列に配置され回廊が取り囲む。本殿に接する形で「磐境(いわくら)」がある。5個の自然石が円形に立ち並んでいるが、これは社殿を建てて祀りをする以前の古い原始的な祭場であったことによる。参道は約900mと長く一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居と続き、道幅も広い。両側の植樹されたサクラもまだ若く、参道は歩きながら楽しむような趣とは異なる。それは、はだか祭で重さ4tにも及ぶ「大鏡餅」の奉納パレードや裸男たちがもみ合い、社殿に殺到する場となるからである。神社の背後の社叢林が神社をしっかりとおさえていて美しい。
補足情報
*楼門:三間一戸、入母屋造り・檜皮葺きで室町時代初期の建立。1646(正保3)年、上層を改造。
*拝殿:江戸初期の建立。桁行5間、切妻造・檜皮葺きで、内側に柱が並立しているのが特徴。
*拝殿:江戸初期の建立。桁行5間、切妻造・檜皮葺きで、内側に柱が並立しているのが特徴。
関連リンク | 尾張大國霊神社 国府宮(WEBサイト) |
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参考文献 |
尾張大國霊神社 国府宮(WEBサイト) 文化財ナビ愛知(愛知県)(WEBサイト) あいち観光ナビ(一般社団法人愛知県観光協会)(WEBサイト) 『愛知県の歴史散歩』 愛知県高等学校郷土史研究会=編 山川出版社 |
2024年05月現在
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