真清田神社ますみだじんじゃ

一宮駅の北東約700m、市の中心商店街、アーケードのある本町商店街を出ると正面に、大きな鳥居、青銅の重厚な屋根が人目をひく。こちらは神社の東口で、南からの参拝口もある。
 平安時代の『延喜式』神名帳にも記載されている歴史の古い神社であり、この一帯を開拓した国造尾張氏の祖神である天火明命(あめのほあかりのみこと)を祭神としている。平安時代から「尾張国一之宮」として敬まわれている式内社。
 透塀に囲まれた約3万m2もある広い境内に、聖武天皇(701~756年)が書いたと伝わる扁額のうつしが掲げられてある堂々とした楼門から入る。正面に拝殿・本殿が迎える。門を入り左手に手水舎。ここの吐水龍はレプリカで、実物は宝物館にある。吐水龍は尾張の初代藩主徳川義直(1600~1650年)が寄進したもの。さらに進むと、神水舎がある。神水は、白河天皇(1053~1129年)が病気を癒すために召したもの。拝殿・本殿は空襲で焼失し、1957(昭和32)年に復興。木曾檜や伊勢神宮から下賜された古材が使われた。渡殿、祭文殿が立ち、その左手には神楽殿、斉館などが並び、今でもむかしの威容を誇っている。
 また境内には、織物の神である萬幡豊秋津師比賣命(よろずはたとよあきつしひめのみこと)を祀る服織(はとり)神社*があり、七夕祭りには服地が奉納される。4月1日~3日にかけて桃花祭*がある。
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みどころ

真清田神社は尾張国の一宮で、市名の由来になっている。全国に一宮神社が市町村名になっているケースもあるが、市制を敷いている一宮はここだけである。
 服織神社の祭神は別名「棚機姫神」と呼ばれ、七夕まつりの織姫と同一の神であることから、縁結びの神として広く知られる。お守りに2本の赤い糸がついていて、1本は服織神社に結び付け、もう1本を自分の身につける。こうすると、願いが叶うとされる。
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補足情報

*服織(はとり)神社:1965(昭和40)年、地元・繊維業の発展を祈念するために創建された。
*桃花祭:その昔、神社周辺はモモの木がしげり、ひとびとはその木の枝で身を清め枝は木曽川に流した。のちに短冊とともに神前にそなえ五穀豊穣を祈るようなった。この祭りは馬祭りともよばれ、第二次世界大戦前には100頭余の馬が各町内からひきだされた。夏の七夕祭りともに、一宮市を代表する祭りとなっている。
関連リンク 真清田神社(WEBサイト)
参考文献 真清田神社(WEBサイト)
文化財ナビ愛知(愛知県)(WEBサイト)
あいち観光ナビ(一般社団法人愛知県観光協会)(WEBサイト)
一宮市観光協会(WEBサイト)
『愛知県の歴史散歩 上』愛知県高等学校郷土史研究会=編 山川出版社

2024年05月現在

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