妙興寺みょうこうじ

名鉄名古屋本線妙興寺駅から徒歩5分程度。1365(貞治4)年に創建された臨済宗の巨刹。正式には、長島山(ちょうとうさん)妙興報恩禅寺と称す。
 南北朝時代、尾張の北朝の拠点として隆盛をきわめ、1356(延文元)年後光厳天皇より、勅願寺の綸旨を賜り、1364(貞治3)年には足利二代将軍義詮(よしあきら)により、鎌倉五山の諸山と同格に列せられ、幕府から特別の待遇を受け、尾張国随一の巨刹となった。以来、三代将軍義満から十代将軍義植(よしたね)まで、代が替わるごとに所領安堵の御教書(みぎょうしょ)が下され、手厚く保護された。
 鎌倉時代の禅宗伽藍様式を保つ建物は、1365(貞治4)年に完成された。参道には総門、創建時から残る唯一の建物の勅使門*、三門(三解脱門を略す)、仏殿が南向きに並び、堂宇の周囲に塔頭7か寺があったが、現在では2か寺が故地を離れている。参道の突きあたりは築地塀に囲まれて庫裏(くり)や客殿、石庭のある方丈などの諸堂が甍を並べている。
 総門をはいると、国重文の勅使門が見える。これより北へ放生池・山門・仏殿と一直線に続き、総門がやや東側に寄るのは、典型的な鎌倉期禅宗の伽藍配置である。仏殿より北西に2階建ての鐘楼*がある。左手奥は修行場である。現在の建物の多くは、1890(明治23)年の大火及び1891(明治24)年の濃尾地震などで、焼失、倒壊し失われた。そののち徐々に再建され、その伽藍配置は江戸時代に描かれた『尾張名所図会』と同じになっている。
#

みどころ

寺域は5万6,000m2と広く、今でも禅門の道場であり、うっそうとした樹木に囲まれた寺域は森閑とした雰囲気に包まれる。境内全域が愛知県指定史跡であり、一宮市博物館が設置されている。国の重要文化財、県の文化財の指定を受けた古文書・仏像・絵画など寺宝も多く、一部は一宮博物館にも収蔵されている。
#

補足情報

*勅使門(国指定重要文化財):門の型式は一間一戸四脚門、屋根は切妻・桟瓦葺きで、1353(文和2)年後光厳天皇より賜与された勅額がある。
*鐘楼:梵鐘は総高158cmと全国で二番目に大きく、乳と呼ばれる突起物の配列に独自性がある。1376(永和2)年の銘があり、妙興寺創建当時のものと思われる。
関連リンク あいち観光ナビ(一般社団法人 愛知県観光協会)(WEBサイト)
参考文献 あいち観光ナビ(一般社団法人 愛知県観光協会)(WEBサイト)
文化財ナビ愛知(愛知県)(WEBサイト)
一宮市観光協会(WEBサイト)
『妙興報恩禅寺』パンフレット
『愛知県の歴史散歩 上』 愛知県高等学校郷土史研究会=編 山川出版社

2024年05月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。