牛伏寺ごふくじ

松本市の南東、鉢伏山(はちぶせやま)の中腹、標高1,000ⅿにある真言宗の名刹である。参道を登ると山門・庫裏・如意輪堂、さらに階段を登って楼門造の仁王門、観音堂・太子殿などが配置されている。厄除祈願の殿堂として広く知られ、1月の「厄除縁日大祭」では多くの参詣客が訪れる。
 756(天平勝宝7)年に唐から信州善光寺に大般若経600巻を赤黒2頭の牛で運ぶ途中、牛がこの寺の下で倒れたことから、寺に経文を納め、普賢院の寺号を牛伏寺に改めたという。
 現境内地は15万坪と広大であり、法燈1300年を継承しているという。
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みどころ

深い杉木立にかこまれた長い参道を登り山門をくぐり境内に入ると、松本市指定重要文化財である観音堂、仁王門をはじめ、江戸時代を中心とした多くの建造物が立ち並び、静寂さのなかに荘厳さを感じる。
 本尊の十一面観音立像のほか、釈迦如来像と同脇侍、薬師如来坐像、大威徳明王など藤原末期と推定される仏像が観音堂に安置され、信州の寺院のなかでも文化財の宝庫といわれている。国指定重要文化財8点、県宝3点、市の重要文化財30点など。
 如意輪堂は江戸中期 1798(寛政10)年に建立された間口54尺、奥行54尺、寄棟造の大規模な堂で、かやぶき屋根が立派で特徴的。また仁王門も三間一戸の楼門で、入母屋造、銅板葺の建物で スマートなプロポーションをもち、全体が朱塗りされ見栄えがする。如意輪堂の前にある2対の牛の像は疲れ切ってしゃがみこむ姿であるのかユーモラスでもある。 
 牛伏寺からのアプローチ道路を下る時、槍ケ岳・常念岳など北アルプスの展望がよく、また周辺の山々の緑や紅葉が美しい。また付近には牛伏川フランス式階段工(別項目参照)があり合せて見学するとよい。(林 清)
関連リンク 金峯山牛伏寺(WEBサイト)
参考文献 金峯山牛伏寺(WEBサイト)
「金峯山牛伏寺」 パンフレット 牛伏寺

2022年09月現在

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