国宝 旧開智学校校舎
1876(明治9)年に建てられた擬洋風*建築物で、木造2階建、中央部に八角塔がそびえ、明治維新の遺風を偲ばせる。擬洋風学校建築の代表作と評価されている。設計・施工は松本の大工棟梁立石清重で、上京して当時の開成学校の校舎などを研究したといわれる。
みどころ
2019(令和元)年9月30日に国宝に指定された。国宝指定にあたっては「近代化を推進した開花期の洋風建築受容を示し、近代教育の黎明を象徴する最初期の擬洋風学校建築として、文化的に深い意義を有する」として評価された。和風や洋風などさまざまな要素が混ざり合った擬洋風建築で、日本人がどのように西洋の建築を受け入れてきたかをよく示すものと言われている。
建物の中央に「東西南北」の風見を配した八角塔が高くそびえ、天使や龍の彫刻をはじめ、和洋が混ざり合った独創的なデザインの建物である。内部には教育資料約11万点の一部が展示されている。
校舎の建築費の7割を地元住民が負担したこと、しっかり作られていたため90年間も使われ続けたこと、現在まで地域の住民によって大切に保存されてきたことも評価が高い。(林 清)
建物の中央に「東西南北」の風見を配した八角塔が高くそびえ、天使や龍の彫刻をはじめ、和洋が混ざり合った独創的なデザインの建物である。内部には教育資料約11万点の一部が展示されている。
校舎の建築費の7割を地元住民が負担したこと、しっかり作られていたため90年間も使われ続けたこと、現在まで地域の住民によって大切に保存されてきたことも評価が高い。(林 清)
補足情報
*擬洋風:幕末から明治時代前期にかけて、日本各地の大工がその技術を生かしながら、洋風を目指して創りあげた建造物。形式的には洋風建築には見えるものの、細部には、洋風、和風、中国風の要素が入り交じり、独特の様式と雰囲気を有する建物になっていることが多い。その後は、西洋建築に関する技術が根付くにつれて、擬洋風の建築物は下火となっていった。
関連リンク | 松本まるごと博物館旧開智学校(国宝旧開智学校校舎)(WEBサイト) |
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参考文献 |
松本まるごと博物館旧開智学校(国宝旧開智学校校舎)(WEBサイト) 「信州 松本」パンフレット 松本観光コンベンション協会 「長野県の歴史散歩」 出川出版社 |
2022年09月現在
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