平山郁夫シルクロード美術館ひらやまいくおしるくろーどびじゅつかん

JR小海線甲斐小泉駅前にあり、周囲は雑木林のなかに住宅、別荘などが点在し、八ヶ岳や富士山を遠望する標高1000mほどの高原にある。
 日本画家平山郁夫*が1988(昭和63)年に鎌倉にシルクロード研究所を創設し、1999(平成11)年にこの地に「八ヶ岳シルクロードミュージアム」を開設した。2004(平成16)年には「平山郁夫シルクロード美術館」が開館し、現在の本館となっている展示棟もオープンしている。主に平山郁夫の絵画作品と、同氏が寄贈したシルクロードに関する絵画・彫刻・工芸品など1万点に及ぶコレクションを収蔵し、順次これを展示している。入館有料。12月下旬から3月中旬まで冬期休館。
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みどころ

1階の受付から第1展示室に入ると、まず出会うのがシルクロード各地で発掘された仏像、仏頭などで、一挙にシルクロードの世界に引き込まれる。1階の5室からなる展示室のうち4室には、首飾りなどの装飾品、コイン、陶器、ガラス器など様々なシルクロードの名品が順次並ぶ。展示室5では、平山郁夫のアトリエの一部が再現されており、壁面には日本の自然や歴史的文化遺産などを描いた平山の作品やスケッチなどが展示されている。さらに2階の大展示室には壁面をいっぱいに使い、平山郁夫の「大シルクロードシリーズ」の絵画作品が展示されている。
 また、2階には展示室とは一転して明るい日射しが入るカフェ「キャラバンサライ」があり、シルクロードのコレクションや平山作品の余韻を楽しめるようになっている。美術館裏手の小海線の線路沿いには、木製のオープンデッキがあり、高原の気持良い空気を吸い込むことができる。一部を除き館内撮影自由。
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補足情報

*平山郁夫:1930(昭和5)~2009(平成21)年。東京芸術大学美術学部教授・学部長、同大学長などを務めた。平山自身が「私がシルクロードを歩くようになったのは、日本文化の始まりである仏教伝来の道をたどることが目的」だったとし、生涯150回以上もシルクロードを旅し、「仏教伝来」をはじめ、「玄奘三蔵への道」「アレクサンダーの道」シリーズなど、シルクロードと関わりのある作品を数多く残した。また、自然との調和を重んじる日本の文化、造形感覚に惹かれ、日本の歴史的文化遺産や日本の道などの作品も数多く描いている。
関連リンク (公財)平山郁夫シルクロード美術館(WEBサイト)
参考文献 (公財)平山郁夫シルクロード美術館(WEBサイト)
平山郁夫美術館(WEBサイト)
平山郁夫シルクロード美術館パンフレット

2024年07月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。