三代校舎ふれあいの里さんだいこうしゃふれあいのさと

JR中央本線長坂駅から北西へ約10km、JR小海線清里駅から南へ10kmのところにある。この地は東側に奥秩父の山々が控え、北西に八ヶ岳、南西に甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山などの南アルプスを望む標高790mの高原で、伸びやかな農村風景が広がっている。その一画に近代西洋風木造建築の明治校舎をはじめ、大正校舎、昭和校舎の3校舎が校庭跡を前に並列して建っている。
 明治校舎の「津金*学校」は1875(明治8)年に設立され、1985(昭和60)年に閉校となった擬洋風建築の建物で現在は歴史資料館と明治カフェとして利用されている。
大正校舎は1998(平成10)年にそれまであった大正期建設の校舎を取り壊し、新築復元をした農業体験農園施設で、地元住民を指導役に周辺の農地を利用して田植え、稲刈り、野菜の収穫などの農業体験実習や、甲州名物ほうとうなどの手作り体験・各種イベントを行っている。
 昭和校舎は、津金中学校だった校舎を1999(平成11)年に建て替え、地元特産品の売場、イタリアンレストラン・和食・「おいしい学校の給食」などの食事施設、ハーブ湯施設、宿泊施設を備えた「おいしい学校」として2000(平成12)年に再スタートした。
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みどころ

三代校舎の前に立つと、ある世代以上のものにとっては、故郷の古びた校舎を思い出し、懐かしさが溢れ出す。施設の周辺には田畑やリンゴの果樹園が広がり、甲斐駒ヶ岳の鋭角的な山容を中心に美しい山岳風景を望むことができ、開放的だ。地元特産品の売場、昔懐かしい給食スタイルの食事を供するレストラン、ハーブ湯施設、ドッグランなどがあり、農業体験施設もあって家族ぐるみで楽しむことができる。
 4月上中旬には、旧校庭の広々とした前庭に30本のサクラの古木が開花し、甲斐駒ヶ岳など南アルプスの山々を背景にこのサクラをみれば、かつての入学式の光景を思い起こす人々も多いだろう。
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補足情報

*津金:津金の地名は、一説にはツガが茂っていた土地だったので「栂峰」であったものを、先祖に清和源氏の流れを汲む佐竹氏がこの地に入り、氏名にする時に好字を選んだと言われている。津金氏は、武田氏に仕える武士集団として、小尾氏や八巻氏などとともに「津金衆」と呼ばれ、佐久往還の保全防衛を任務としていた。武田氏滅亡後は、徳川家の旗本になった。明治校舎裏にある諏訪神社は津金氏の古宮の城跡だったとされる。
関連リンク 三代校舎ふれあいの里(WEBサイト)
参考文献 三代校舎ふれあいの里(WEBサイト)
津金学校HP「資料室 津金氏と津金衆」(WEBサイト)

2024年07月現在

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