長坂のオオムラサキ
オオムラサキ*1は、羽を広げると10~12cmとなる大型の蝶で、東アジアに生息し、日本では九州中部から北海道南西部まで広く分布している。タテハチョウ科に属し、オスは前翅と後ろの翅の根元近くから中央部にかけて鱗粉の構造から青紫に輝く(メスは輝きがない)。1957(昭和32)年に日本昆虫学会で、当時、日本全国に広く分布しており、その高貴な姿から国蝶に選定された。
しかし、現在は里山などの減少により、生育環境が悪化し、環境省は準絶滅危惧種に指定している。このため、全国で保全保護活動が行われているが、なかでもオオムラサキの生育に適し、自然環境が保全されている八ヶ岳高原に位置する北杜市(長坂町)では、1995(平成7)年にオオムラサキを通じ自然保護を啓蒙するとともに、保護、研究、観察拠点として北杜市オオオムラサキセンターを設置した。
同センターは、本館・森林科学館・生態観察施設「びばりうむ長坂」の3つの施設とその周辺に広がる約6万m2のオオムラサキ自然公園からなり、オオムラサキに関する学習、観察を行うのにもっとも適切な施設のひとつとなっている。生態観察施設「びばりうむ長坂」では、一年を通じてオオムラサキの生態を観察することができ、6月の最終週から7月の第2週辺りでは成虫の観察が可能である。北杜市オオムラサキセンターへの入館は有料。
また、自然公園では、里山体験林や自然観察林が広がり、棚田には茅葺小屋や水路、木道が整備され、ナノハナ、レンゲ、ソバ等を栽培し、オオムラサキの生育によい自然環境づくりに取り組んでいる。このため、自然公園内でもオオムラサキの観察が可能である。
なお、種まきや収穫などの体験プログラムも用意されている。自然公園内は見学自由。
北杜市オオムラサキセンターはJR中央本線日野春駅から北西へ約900mのところにある。
しかし、現在は里山などの減少により、生育環境が悪化し、環境省は準絶滅危惧種に指定している。このため、全国で保全保護活動が行われているが、なかでもオオムラサキの生育に適し、自然環境が保全されている八ヶ岳高原に位置する北杜市(長坂町)では、1995(平成7)年にオオムラサキを通じ自然保護を啓蒙するとともに、保護、研究、観察拠点として北杜市オオオムラサキセンターを設置した。
同センターは、本館・森林科学館・生態観察施設「びばりうむ長坂」の3つの施設とその周辺に広がる約6万m2のオオムラサキ自然公園からなり、オオムラサキに関する学習、観察を行うのにもっとも適切な施設のひとつとなっている。生態観察施設「びばりうむ長坂」では、一年を通じてオオムラサキの生態を観察することができ、6月の最終週から7月の第2週辺りでは成虫の観察が可能である。北杜市オオムラサキセンターへの入館は有料。
また、自然公園では、里山体験林や自然観察林が広がり、棚田には茅葺小屋や水路、木道が整備され、ナノハナ、レンゲ、ソバ等を栽培し、オオムラサキの生育によい自然環境づくりに取り組んでいる。このため、自然公園内でもオオムラサキの観察が可能である。
なお、種まきや収穫などの体験プログラムも用意されている。自然公園内は見学自由。
北杜市オオムラサキセンターはJR中央本線日野春駅から北西へ約900mのところにある。
みどころ
オオムラサキの成虫を観察するということであれば、やはり6月の最終週から7月の第2週辺りに同センターを訪問するのがよいだろう。オオムラサキは準絶滅危惧種に指定され、日本の国蝶にも選定されていることもあり、全国で保護活動が盛んになり、各地で生育が確認されているが、北杜市の長坂町地区は、オオムラサキが好むクヌギなどの雑木林や里山が良く残され、自然環境もよいことから、先駆的にオオムラサキの保護と自然保全に取り組んできた。同センターでは、オオムラサキの生態研究を行うとともに、自然や里山の保護保全に関する啓蒙活動や体験型プログラムを用意している。とくに子どもたちにとっては、オオムラサキの美しい姿の観察はもちろんのこと、同センターの体験活動などに参加できれば、有意義なものになろう。
なお、同センターの施設前庭や自然公園は、10月中旬~11月中旬の紅葉も素晴らしく、オオムラサキの成虫には出会えないが、散策するだけでも、清涼感あふれる里山や自然を楽しむことができる。
なお、同センターの施設前庭や自然公園は、10月中旬~11月中旬の紅葉も素晴らしく、オオムラサキの成虫には出会えないが、散策するだけでも、清涼感あふれる里山や自然を楽しむことができる。
補足情報
*1 オオムラサキ:この名は和名で、学名は「Sasakia charonda Hewitson」。学名のsasakiaは日本昆虫学会初代会長で明治から昭和期にかけて活躍した昆虫学者佐々木忠次郎に因む。また、英語では、「Giant Purple Emperor」(巨大な紫の皇帝)と名付けられ、日本では江戸時代には「紫蝶」と称し、明治になってから「オオムラサキ」と呼ばれるようになった。
関連リンク | 北杜市オオムラサキセンター(WEBサイト) |
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参考文献 |
北杜市オオムラサキセンター(WEBサイト) 富士の国やまなし「北杜市オオムラサキセンター」(WEBサイト) オオムラサキセンター「読むとわかるオオムラサキの秘密」 |
2024年07月現在
※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。