瑞牆山みずがきやま

甲府盆地の北、奥秩父の山並みの一角を占める。花崗岩の岩峰の群立する独特な山容を示し、ゆるやかな山体の多い奥秩父では特異な存在感を見せるのが標高2,230mの瑞牆山*だ。とくに西麓の黒森集落やみずがき山自然公園からはその雄姿がよく眺められる。
 登山コースは、JR中央本線韮崎駅から25kmほど北にある瑞牆山荘から入り、富士見平で金峰山への道と分け天鳥川に下ってから山頂へ直登して同じ道を下るコース、あるいは、増富ラジウム温泉から林道でみずがき山自然公園の芝生広場まで行き、不動沢、不動滝を経て北側から登り、富士見平に下る周回コースの日帰り2コース*が一般的。
 樹間、岩場を抜け山頂に立つと、金峰山、富士山、南アルプス、八ヶ岳などの大眺望が開ける。
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みどころ

個性的な山容については、深田久弥の「日本百名山」では「その岩峰が樹林帯と混合しているところである。まるで針葉樹林の大森林から、ニョキニョキと岩が生えるような趣」としている。とくに、山容を間近にする西側のみずがき山自然公園や富士見平の手前辺りで見ると、岩峰の峩々と林立する姿に圧倒される。
 樹林帯を抜け、最後の岩場を登り山頂に出ると、視界が大きく広がり大パノラマとなって爽快このうえない。
 アズマシャクナゲとハクサンシャクナゲの群落がみられる新緑期とカラマツの黄金、シラカバの白、ミズナラの赤などが映える紅葉期がとくに素晴らしい。
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補足情報

*瑞牆山:この山については、江戸後期編纂の「甲斐国志」では、金峰山と小尾山の項の2か所に記されている。金峰山の項では「古圖ニ金峰ヲ玉壘トス多麻賀畿ト訓スベシ…中略…コノ山ノ麓ヲ指シ瑞壘(みずがき)ト呼フ」とし、小尾山の項では「東ハ瑞籬(みずがき)ト云金峰山ニ連ル中間ニ子産(こうぶ)巌ト云アリ大巌叢り峙チ佳景」としている。これを1905(明治38)年に名勝として広く知らしめるため、瑞牆山という表記にしたと、いわれる。なお、深田久弥は「日本百名山」のなかで「三つの山稜が集まる所を三繋ぎと呼ぶことがある…中略…そのミツナギが聞き誤られ、ミズガキという風流な名前になって今の峰に冠せられたのではなかろうか」という説も「勝手な憶測」として、「甲斐国志」の説とあわせて紹介している。
*2コース:山頂部に近づくと岩塊を縫って登るため岩場、鎖場が多いので注意が必要だ。
関連リンク 北杜市観光課(WEBサイト)
関連図書 「山梨県の山」山と渓谷社
参考文献 北杜市観光課(WEBサイト)
深田久弥「日本百名山」新潮社
「甲斐国志」国立国会図書館デジタルコンテンツ(WEBサイト)
「富士の国やまなし」やまなし観光推進機構(WEBサイト)

2024年07月現在

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